過酷な登山のドキュメンタリーと聞いて、登山成功までの苦悩をハラハラドキドキしながら楽しむものとばかり思っていましたが、本作は視点が異なり、生死を常に意識して生きている人たちの生き様を描いたドラマでした。登場する登山家は、登山関連の職業の方もいますが、本業は他にあって、生き甲斐を感じるために山に登るという方もいました。そして、本作は山に登る男達を追う内容ではなく、山で瀕死の状態になってしまった仲間を助けるために国を超えた登山家たちが自分の命に替えてでも助けようと駆けつけ、救助に向かう様子や、当時を振り返って語っている様子を映したドキュメンタリーです。ネタバレするので細かく言えませんが、生と死を受け入れて生きている登山家たちだからこそのラストという感じで、清々しく終わります。正直、登山に興味はありませんが、本作で映し出されている登山家たちの友情や、生き様にはとても共感しましたし、生きている実感を自分も噛みしめて生きていたいなと思えました。登山に興味がない方も、毎日ボ〜ッとして何となく日々が過ぎていくことに焦りを感じている方は観てみると良いと思います。 |
完全に登山好き向けの映画かなと思いつつ、意外に登山に興味がない方でも感情移入できる内容になっています。登山の苦労をあれこれ描いたものというよりも、登山家である前に人間であるという部分が描かれているので、私たちの日常に置きかえて観られる部分もあります。自分が登山好きで、相手にも登山の良さを理解して欲しくて誘う場合は、登山仲間の絆が素晴らしいということは伝わると思いますが、逆に心配させる可能性もあるので、一度自分だけで観てから誘うか、登山仲間と観に行く方が良いかも知れません。 |
内容を理解することはできるかも知れませんが、登場人物が大変多く、エンタメ的な要素で作られた映画ではないので、キッズや若年のティーンにはまだピンとこないでしょう。大人に近いティーンはこういう感覚もだんだんと理解できると思うので、興味があれば観てみると良いと思います。自分の命をかけてでも救いたいと思える友達がいるか、自分に置きかえて考えてみましょう。そういう友達がいればこれからも大切にして、いない場合はこれからどうやったらそういう友達ができるか考えてみてください。 |