2015年3月14日より全国公開
ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
公式サイト
ディズニーが描くファンタジーも、良い意味でバラエティに富み、だいぶ変わってきましたね!本作は、誰もが知っているおとぎ話のその後を描いたストーリーなのですが、なかなかビターな内容で驚きました。「めでたし、めでたし」のハッピー・エンドだったストーリーのその後の展開が生々しいったらありゃしない!本作が発しているメッセージが一見後ろ向きなものに思えるのですが、逆にそんなストーリーは笑い飛ばしてしまえという皮肉が込められているのかも知れません。とにかく、本作はある意味子どもには見せない方が良いなあと感じたのは事実です(笑)。 日本に伝わる昔話やグリム童話のオリジナルには、実は恐ろしい展開が書かれていて、子ども向けの本などではそういう残酷な部分が削られているという話を聞いたことがあります。私も実際に中学か高校生くらいのとき、今まで知っていたグリム童話のオリジナルの内容を知り、驚いた経験があります。本作では、誰もが知るストーリーの部分にもそういうダークな部分が活かされており、例えば「シンデレラの物語なんて知ってるわ」という人にも驚きのシーンが出てきたりします。そして、“その後のストーリー”では、人生には酸いも甘いもあるという現実を突きつける展開が待っていて、夢見る夢子ちゃんのまま成長してしまった大人の目をハッと覚ますようなスパイスが効いています。誰もが知っているおとぎ話のキャラクターがたくさん登場して、お互いのドラマが絡み合うのもおもしろいですが、キャラクター設定自体も、私たちが抱いているイメージとは少し違っていたり、とにかく新鮮味があります。この点は同じディズニーが手掛ける海外テレビドラマの『ワンス・アポン・ア・タイム』にも通じる部分があり、今ディズニーではこういうストーリーが熱いんだなと思いました。ミュージカル映画という部分でも、楽しく美しく歌うというディズニーの王道スタイルのみならず、「あれ?(笑いを)狙ってる?」と思わせるようなシーンもあります。特に気になったのは、クリス・パインが演じるシンデレラの王子と、ビリー・マグヌッセンが演じるラプンツェルの王子が川辺で熱唱するシーン。「マジか(笑)!?」とツッコミたくなる歌いっぷりに要注目です!とにかく新鮮さが満載の新しいディズニー・スタイルをぜひ堪能してください! |
頭が柔らかいカップルならば、デートで観るのもオススメなのですが、どちらかが頭が堅くてこのユーモアが受け入れられない場合に一緒に楽しめないのではという懸念があります。予想以上に生々しい現実が描かれており、それは主に男女関係の物語の部分なので、予期せずどちらかが気まずいと思うシーンにぶち当たる可能性があります。エッチで気まずいというシーンはありませんが、その点だけ念頭に入れつつ、誘う人を検討してください。 |
一見ファミリー向けの楽しい映画に思えるのですが、意外に大人向けのファンタジーです。キッズの皆さんはおとぎ話をまだハッピー・エンドのままで信じておいて欲しいので、もう少し大人になってから観てください。ティーンはいろいろな視点で物語を観るという経験を徐々に積んだ方が良いので、ぜひ観てください。でも、どう解釈するかはあなた次第なので、夢と希望、理想は無くさないでくださいね(笑)。 |
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2015.2.17 TEXT by Myson