2013年6月21日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト 予告編
荒れ果てて人が住んでいない未来の地球という壮大な舞台のなかで登場人物はほぼ父子のみ、SFらしい小物などは登場するも大自然のなかを少年が駆け回り、現れる敵は動物という構成が新鮮でした。でも、派手さを期待する方には正直地味に思えるかもしれません。SF映画として観るか、親子のドラマ、少年の成長記として観るかで満足感に違いが出ると思いますが、私は少年の成長記として観ました。物語では、窮地に立たされた息子キタイと父サイファが無事に帰還できるかはキタイにかかっていて、ケガをした父を宇宙船に残し、キタイが一人で危険な任務をこなします。キタイを演じるジェイデン・スミスが垂れ目なので、初めは甘えん坊で不安そうな顔がとても役柄にハマッているのですが、後半は見事に精悍な顔つきに変わっていきます。その様子から役者ジェイデン・スミスの成長そのものも垣間見えました。ふとしたきっかけで一瞬にして心の殻を破るシーンでの変化は特に演技力が発揮されていたと思います。 本作の原案はウィル・スミスなのですが、父の息子への愛が感じられるストーリーで、実際の親子が演じていることもあり、感情表現がとてもリアルです。来日会見でもウィル・スミスがいかに息子が大好きかが伝わってきましたが、そういう背景を知った上で観るとラストのキタイの成長ぶりに感動もひとしおです。親心も感じられる作品で、娘と父の物語もありますので、女子の皆さんはぜひお父さんを連れていってあげてください。 |
あまりラブストーリーの要素はないので、ロマンチックなムードが盛り上がることは期待できませんが、単純に映画を楽しめれば良いというのであれば、デートで観るのも良いでしょう。父との関係があまり良くない、でも本当はお父さんのことが好きな彼氏や旦那さんを連れていってあげれば、親心を客観的に観られて少しだけ楽になるかも知れません。気まずくなるようなエッチなシーンはもちろんないですし、怖いシーンもあまりないので、その辺は安心してください。ただクリーチャーが出てきますので、気持ち悪いのが嫌いな方は少し覚悟して観てください。 |
ぜひキッズ、ティーンに観て欲しい一作です。キッズでも小学生以上なら充分にわかる内容ですし、ジェイデン・スミスが演じる主人公キタイの心の葛藤などは、中学生、高校生くらいなら等身大に感じられるのではないでしょうか。まだ半分子どもだけれど、徐々に大人から離れて困難な状況にも自分で対処しなければいけないお年頃のキタイが成長する姿に、「僕も頑張らないと!」と感じてくれれば嬉しいです。主人公のキタイがとるポーズがあるのですが、なかなかかっこいいので気に入ったらマネして学校で流行らせてみても楽しいんじゃないでしょうか。ウィル・スミスが演じる父サイファのセリフに「危険は目の前にあるが、恐怖はお前の中にある」とありますがわかりやすくて良い言葉ですよね。この言葉が表すように、これから社会に出ていろいろな恐怖に打ち勝つ強さを子どもたちに持って欲しいという思いも感じられるストーリーなので、ぜひ親子で観てください。 |
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2013.6.18 TEXT by Myson