2013年3月9日より全国公開
ロングライド
公式サイト 予告編
1942年生まれ、70歳(制作当時)のミヒャエル・ハネケ監督作。監督の年齢に驚いたかと思うと、主演の夫ジョルジュ役ジャン=ルイ・トランティニャンは1930年生まれ、妻アンヌ役のエマニュエル・リヴァは1927年と二人とも80代でさらにビックリ。ストーリーは、ある日突然妻に異変が起こり、手術をするもうまくいかず、病状がどんどん悪化していくなか、病院には絶対に戻さないという約束をした夫が孤独と戦いながら看病をしていくという内容です。とても静かに描かれながら、何かとても強いパワー、生命力というか人間力、尊厳を感じる映画でした。 お年寄りが周りから心配されながらも本人たちは頑固に今までの生活を維持しようとするケースは、私たちの身の回りでもよくある話ですが、私も自分の祖父母のことを思い出し、切なくなりました。どんどん生活に困って、孤独になっても、合理的に考えられない部分があって、きっと誰もが体験することなんだなとしみじみと観ましたが、窓から入ってきた鳩にまつわるくだりは、何を意味しているのか、今の私にははっきりと理解ができませんでした。もっと年齢を重ねると、この映画のコクみたいなものがもっと楽しめるんだろうなと思います。 とても切ない話なのですが、タイトルにも入っているとおり、愛に溢れた物語です。夫婦って、こういうことなのかな…という視点でも観られる大人向きの作品です。 |
明るく、気楽な気分で過ごしたい日のデートには向いていません。高齢の夫婦やカップルには特にとても現実的に思えるストーリーだと思うので、気楽に観に行くといろいろ考えすぎてしまうのではないでしょうか。でも、自分たちの今後について、二人で寄り添って生きていくという覚悟みたいなものを感じたい本命カップルは年齢を問わず観ると良いと思います。 |
人生のうちでだいぶ先の話なので、難しいとは思います。また、とても静かに日常を描いた作品なので、キッズの集中力では厳しいでしょう。ティーンに関しては、文学が好きな人はトライしてみても良いかも知れません。ハラハラドキドキするような物語ではないので、少々展開が単調に感じるかも知れませんが、人の弱さ、優しさ、強さはどういうところにあるのか観察してみると良いでしょう。あと、おじいちゃん子、おばあちゃん子はさらに思い入れを持って観られるかも知れません。 |
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2013.3.7 TEXT by Myson