サイテー、サイテー、こいつ本当サイテーと思いながら楽しめる復讐劇(笑)。日本の作品が描く恨み嫉みの物語もなかなかのものだと思いますが、やっぱりこの手のドロドロとしたストーリーは韓国も上手ですね。個人的にはまずチョン・ウソンが出演しているということで本作に興味を持ったのですが、彼がここまで汚れた役をやるとは、良い意味で裏切られました。客観的に観れば、こんな酷い男に引っかかる女がバカなのだと言いたくなるのですが、彼の容姿、肉体美を存分に活かした演出によって、女が惚れてしまうのは仕方がないと思わせる説得力があります。一般の社会では特に美男子でもないフツーの男に引っかかるウブな女子は意外にたくさんいると思いますが、どうせ映画で観るならこれくらいイイ男でないと、ピュアな女子がこんなに酷い仕打ちに遭うのは観るに堪えないです(笑)。そして、女主人公を演じたイ・ソムという女優さんが良い感じで美人過ぎず、でもどこか独特な雰囲気があり、男に純粋に尽くすだけ尽くして捨てられて復讐する怖い女を見事に演じています。この2人の激しい濡れ場がかなり多いのですが、欲望だけ満たされたい中身が空っぽな男と、心まで満たされたい愛が深い女の交差点となっているようで、ここで激しく求め合っているからこそ、このあとの展開がより皮肉に見えるのかなと思いました。あと、チョン・ウソンが演じるハッキュの娘を演じたのは、キム・ギドク監督作『レッド・ファミリー』でも名演を見せた若手女優パク・ソヨン。今回も逆境に負けずに強く成長する娘を好演しています。今回の彼女の演技はゾクッとさせてくれますよ。
ま〜最初から最後までいろんな意味で本当にエグいのですが、復讐劇はこれくらいでないと見応えがありません。韓国映画ってここまでやるから好きなんですよね。チョン・ウソンが冒頭はすごくカッコ良いのですが、本当にサイテーな奴を演じているので、心の中で「コンニャロー!」と叫びながら憎たらしさ満々で楽しんでください!ただ、男にボロ布のように捨てられた経験があり、未練がまだ残っている人は、まだ観ない方が良いかも知れません。完全に吹っ切れてから観ましょう。 |
デート向きの映画では全くないですね。まずラブシーンが濃厚すぎて、かなり長いので、カップルで観るとしたらちょっと気まずいかも知れません。そしてそもそも不倫、復讐というドロドロなテーマを扱っているので、男性にとっては自分が悪いことをしてようしてまいが、妙な感覚になるのではないでしょうか?女を怒らせると怖いですよという意味で一緒に観るのもアリなのですが、単にそれだけでは終わらないので、シンプルにぎゃふんと言わせられるかどうか…。女子同士で観て、観終わったあとにサイテー男についてボロかすにしてしゃべるというのが一番楽しいのではないでしょうか(笑)。 |
R-18なので、キッズとほとんどのティーンは観られませんね。かろうじて観られるティーンの皆さんは、こういう自分にとっても相手にとっても良いことがない恋愛もあるのだということを学ぶ参考にしてください。自分の気持ちだけが盛り上がって、見た目は相手もすごく自分のことを好きに思えても、ただ遊ばれているということもあるかも知れません。そんなとき、自分が一番自分を大切にしてください。ときに辛い別れ、踏ん切りが必要です。それができないとこうなってしまうかも知れないですよ…あ〜怖い。 |