2011年1月15日より全国公開
ファントム・フィルム
公式サイト
母カレン、娘エリザベスのほかに、養子をもらおうとする黒人女性ルーシーのストーリーが同時に展開していきます。この3者の関係はのちにわかるのですが、共通のテーマは「母」ということです。母性という本能の部分だけでなく、母の役目という社会的な側面からも描かれているのがおもしろかったです。カレンとエリザベスが再会できるのかどうかを軸として展開するストーリーもみどころですが、終盤まで謎の立場にいるルーシーの展開が印象に残りました。ルーシーの母親のセリフで赤ちゃんの面倒で弱音を吐くルーシーに「世界中であなただけが母をやってるの?そうじゃないでしょ」というのがありましたが、母の役目は大変だければ当たり前のことで、母の役目は誰でもやっていることだからあなたにもできるという叱咤激励なんだろうなと感動しました。それが母から娘への言葉というところにもぐっときます。 とにもかくにも、母親になるということはどういうことで、それが女性にとってどういう意味を持つことなのか、いろいろな意味を考えさせられた作品でした。恋愛、妊娠、出産、子育て、仕事…女性として考えねばならないすべてのことが凝縮されている本作、女性の悩みを客観視するのに良いと思います。また、母になれる特権を持つ女で良かったなとも思える作品だと思います。 |
思いっきり女性視点なので、女性の悩みに関心のある男性でないと、取り残された感があるかも知れません。やっぱり女性同士で観るか、一人でじっくり観るかが良い作品です。ですが彼氏、旦那さんがつきあってくれるなら鑑賞後に感想を聞くことで相手の勘の良さを試して観たらおもしろいでしょう。「女ってわからない」と益々謎が深まってしまったか、女性が持つ本質を少し垣間見ることができたと思うような感想が出てくるか、両極端に分かれそうな気がします。もしかしたら女性のあなたも、「女って複雑」と思ってしまうかもしれませんけどね(笑)。 |
©2009, Mother and Child Productions, LLC
2010.12.29 TEXT by Myson