本作は、1908年12月11日ポルトガル、ポルト生まれのマノエル・ド・オリヴェイラ監督による2010年の作品。つまり監督が102歳のときに撮ったものというのがまず驚きです。オリヴェイラ監督の作品はこれまで観たことがないので、いつもこういったファンタジックな作品を撮っているのかとても気になりましたが、死者と生者を主人公に描いた本作は、年齢を重ねたからこそ生まれた概念なのかな等、いろいろと想像を掻き立てられました。『アンジェリカの微笑み』というタイトルに引けを取らない、女優さんの美しい笑顔もまさに芸術だと言えると思います。
しかし!偉そうに語れるほど深く理解できず、何だか悔しさも残ったのが正直なところ。若くして亡くなった美しいアンジェリカと、若き写真家のイザクのラブストーリーと捉えても良し、生死の世界の境界線のようなものをテーマにした物語として観ても良しということなのでしょうか。これは、皆さんご自身が観てご判断ください。 |
ロマンチックなストーリーでもあるので、デートで観てもオーケーだと思いますが、物語が淡々と進んでいき、派手な展開は無いので、好みは分かれそうな気はします。文学的な作品が好きなカップルは観ると良いのではないでしょうか。生死という境界すら越えてアンジェリカに恋してしまう主人公イザクを観て、「こんなに人を好きになれたら素敵ね」と彼に何気にアピールしてみるのもアリかも。ただしわざとらしくならないように注意です(笑)。 |
物語の大枠は理解できると思いますが、「なぜそうなるの?」というファンタジックな描写は、生と死という概念を理解できる年齢になってからでないと、ピンとこないかも知れません。なのでキッズにはちょっとまだ難しいかも知れませんが、中学生以上なら興味があれば観てみると良いでしょう。まずはあまり細かく解釈しようとせずに、感覚で楽しんで、世界観を味わってください。 |