2011年11月19日より全国公開
松竹
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““アントキノイノチ”が、お笑い芸人の“アントキノイノキ”と一文字違いなので、意図的になのかというのだけがずっと気になっていたのですが、意外な展開から繋がっていきました。まあそれは観てのお楽しみにということで…。 本作は、過去に起きたできごとが原因で心が壊れてしまい、ある意味“普通”に生活が送れなくなった男女が出会ったことで、過去に向き合い、今まだ自分が生きている意味は何なのかについて答えを見つけていくストーリー。 主人公2人は男女の繋がりの前に人としてやっと自分を理解できる人、心を開ける人として出会います。一見、普通に見えて心に大きな問題を抱えながら生きている2人。それぞれに過去に「死」にまつわるできごとを経験し、自分が生きている意味がわからずに生きてきて、その過去がだんだんと暴かれていくのですが、「本当に心が壊れているのは、周囲の人ではないだろうか」と考えさせられました。心がまっすぐだからこそ、過去に起きたできごとに責任を感じているんだし、目を反らすことができずにずっと苦しんでいる。一方で、その問題を起こした当事者の方がのうのうと普通に生活していたり…、心が壊れているけれど自覚がなく平気で暮らしている人が世の中にはたくさんいて、その影で人の心を持った人の方が傷つきながら生きているんだなと切なくなりました。 消えてしまった命、残された命…そういう視点を軸に、「人と関わっていかない人生なんて…」という強いメッセージを感じた作品でした。助けるべきときに人を助けることの大切さ、人と関わることを恐れない勇気の大切さを考えさせられました。 少し重い内容ですが、若い方にも年配の方にもぜひ観て欲しい良作です。 |
重い内容の映画なので、ウキウキなデートで純愛映画と間違って観に行くとちょっと驚くと思います。これは恋愛映画というよりは、人間同士の繋がりの物語なので、人間ドラマとして、集中して観て欲しい映画です。遺品整理の会社に勤める主人公たちの日常を描いているのですが、遺品整理のシーンでは故人の家族への愛情を示すものが出てきて普段は目に見えない思いが表現されているので、うるっとくるかも知れません。隣りにいてくれる人の愛情に感謝したくなるストーリーなので、ちょっとマンネリ化しているカップルや、お互い好きなのに素直になれないカップルなどが観るのにおすすめです。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/岡田将生
©2011映画「アントキノイノチ」製作委員会
2011.9.18 TEXT by Myson