2011年12月23日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト 予告編
両親を亡くし、自身も臨死体験してから人生が狂ってしまった少年イーノックと、ガンに冒され余命3ヶ月と宣告された少女アナベルが出会うことで、2人の視点から生と死を見つめ、どう受け入れるかを綴った物語です。1人は生還した少年、1人はこれから死に向かっていく少女という、逆のベクトルの2人が愛し合うという設定がおもしろいと思いました。生還したイーノックの方が臆病になっていて、これから死のうとしているアナベルの方が覚悟ができているというのは、なぜなのか?それは、生への執着なのかなと考えました。死にかけたけど生かされたイーノックは、両親を失ったショックもあるし、自分が死を体験したということもあり、より強く生と死を感じるのだと思います。一方で、アナベルの方は生きたい気持ちももちろんあるだろうけれど、期間限定で精一杯生きようというところで、逆にいつ死ぬかわからないのではなく、いつ死ぬかがわかっているということが、彼女にとって生きるパワーを使い切る上で踏ん切りがついたのかも知れません。 あとは、加瀬亮が演じる「カミカゼ特攻隊」の兵士を物語に入れている点で、ただのお涙頂戴の恋愛ストーリーに終わることなく、「死」をどう受け入れるか、最期をどう生きるかというテーマからぶれることがありませんでした。なぜ「カミカゼ特攻隊」の兵士なのかなと思いましたが、ちゃんと伏線になっているというのも良かったです。 難しいテーマに思えますが、そこはガス・ヴァン・サントらしい空気感で自然にストーリーに入り込めるように作られていますので、いろいろな視点で楽しんで欲しいと思います。で、この主人公イーノック役を演じているのは、故デニス・ホッパーの息子です。その辺も映画好きとしては注目ポイントです。 |
とってもキュートでロマンチックでおしゃれな作品なので、デートでぜひ観て欲しい映画です。テーマは生と死でちょっと重いかなと感じる方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。こんなに自由奔放に死と向き合えたら、気持ちは安らかに死ねるんじゃないかと思うくらいに、清々しい展開です。そしてもちろんラブストーリーですので、ソウルメイト的なカップルってこういう感じなんだろうなと、ピュアな主人公たちのやりとりにも注目して楽しんでください。 |
2011.11.3 TEXT by Myson