2013年9月20日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト 予告編
将来的に他の星に移り住むかも知れないという仮説は映画でもよく出てきますが、実際にそれが実現したら超富裕層から優先的に新しい星で暮らすというのはあり得る話。それに地球に残された人のなかにも違法ながらエリジウムに行く手立てを持っているグループもいて、現代社会で発展途上国から来た人々が先進国へ不法滞在するケースを比喩しているようにも思います。なので、本作の舞台は2154年ですが、それほど遠い未来のことには感じませんでした。 マット・デイモンが演じる主人公マックスはヒーローというわけではなく、彼はあることがきっかけで自身が命の危険にさらされエリジウムにある医療機器を使って治さなければ死んでしまうという状況で、たまたま地球にいる貧民を救うほどの大役を担うことになります。そういったきれい事に描いていない設定にも共感しました。地球では一人一人が必死に生きているのに、国の上層部は地球から離れて益々国民の苦悩なんて別の世界のことになっています。実際の生活を見ないで政治ができるのか、そういった風刺もかなり効いていると感じました。未来の世界を表現する映像はワクワクさせるものがありエンターテイメントとしても見応えがありましたが、風刺的な描写とドラマ性も見事に融合した作品です。 |
SF超大作として楽しむのありだし、社会派ドラマとしても観られるし、観る人によって感想は違いそうな作品ですが、デートで観ても問題ありません。ビジュアル的に少々痛いシーンがあるのでそういうシーンに驚く人もいるかも知れませんが、それほど多くはないので我慢できないほどではありません。未来のテクノロジーにワクワクしたり映画のスケールを楽しむだけでも良いし、もっと深い解釈をしてみてお互いの感想を言い合ってもおもしろいと思います。 |
キッズはとにかく観ておもしろいと思ったものに注目して楽しんでもらえればと思います。エリジウムにある医療器具や設備は観ていてワクワクするので、未来はどうなっているだろうと自分なりに想像して絵に描いてみたりしてもおもしろいでしょう。ティーンはもう少し掘り下げて、人間ドラマやキャラクターたちのいる社会に注目してみると良いと思います。見た目では単純に超富裕層になりたいと思うかも知れませんが、お金や境遇だけではなくどういう人間になりたいか、一歩下がった視点で考えてみて欲しいと思います。 |
関連記事:
■TJE Selection イイ男セレクション/マット・デイモン
■TJE Selection イイ男セレクション/シャールト・コプリー
■TJE Selection イイ男セレクション/ウィリアム・フィクトナー
2013.9.13 TEXT by Myson