2011年12月7日リリース
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すごく良い映画でした!そして観る前に想像していたのと、良い意味で全然イメージが違う内容でした。 幼い頃から、ミスコンで勝つことを目標にして育てられたアナベルは、臨死体験をしたことで考え方が変わり、自分の道を一度も歩いてきていないことに気付きます。興味深いのは、彼女が実際はどんな性格かは別として、周囲は「ミスコンの女王というものさし」で彼女の性格や今までの人生を勝手にイメージしてしまっていて、それが、葬儀屋の息子で街から離れた場所で父親の介護をしながら静かに暮らすエルヴィスも始めはみんなと同じだったという点でした。背中が曲がり母親が亡くなってから精神的にも問題を抱える父親が周囲からバカにされてきたせいもあり、卑屈になってしまったエルヴィスは、アナベルに惹かれつつも、彼女を一般的な尺度で解釈します。でも、アナベル自身もエルヴィスや彼の環境を一般的なものさしで解釈していて、お互い様ということもあり、二人は一緒に過ごすことで先入観をどんどんと取り払い、理解しあうようになります。その過程にとても共感を持ちました。一見真逆の立場というか、全く相容れない世界で暮らしてきた二人ですが、そういった点で共通点があり、心が通じ合うようになったんですね。また幸せかどうかは見た目では判断できないというのをとても実感しました。成功しているのかどうかも同じですね。印象に残ったのは、二人が将来のことについて話をしているときに、エルヴィスが「(将来に)責任がある」と語るシーンです。自分が望んだ夢を追いかけられるだけでも幸運なんだなと思いました。夢を追いかける以前に、「責任」を背負って生きなければいけない立場の人にとっては、夢を抱いてもそれを追いかけることすらできないんですものね。アナベルも彼女自身はミスコンの女王であることを望んでいなかった点で、「責任」をおわされて生きていた=自分の人生ではなかったということなんでしょうね。 こういった点も含め、この映画で描かれる二人の関係性は単純に恋愛だけではなくて、生き方を問う内容にも絡んでいて、とても深いものがありました。ラストシーンはとても感動的です。あとエルヴィスとお父さんの関係もとても素敵です。お互いの優しさが表れるシーンがたくさんあってウルウルしました。男女関係なく、多くの人に観て欲しい、内容の深い映画です! |
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2011.11.28 TEXT by Myson