海辺の静かな街のお話なのかと思っていたら、突然奇妙な展開になり、不気味な世界に変わっていきます。映画のジャンルも予想と違っているし、キャラクター設定もかなり奇妙。あらゆる常識を覆す設定がユニークで、すごい事が起きているのに、すごく淡々と静かに進行していく描写が、なお不気味さを煽っています。「結局何だったんだ?」みたいな部分は残りますが(笑)、この作品はそんなことをツッコむべき作品じゃないんですよね。実際に本作を製作するにあたり資金集めの際に「よくわからない」と言われ、何度も脚本を変えたり、説明を加えたり、受け入れやすくなるよう何年もかけて工夫されたようですが、こういう世界観があっても良いんじゃないか、全部わからなくたって良いんじゃないかと、個人的には思いました。でも映画が作られないと話にならないので、そのところのさじ加減は思った以上に難しいんでしょうね。
とにかく、ビジュアルのインパクトがすごく頭に焼き付く強烈さがあり、異世界に連れられていく感覚を味わえる、絵画のような作品です。 |
わかりやすいストーリーとは言えず、雰囲気や世界観を味わうタイプの作品で、不気味なシーンもあるため、ロマンチックなムードにしたいデートの日には向きません。ただ、「何だろ?何だろ?」と引き込まれる展開はあるので、多少気持ち悪いシーンも大丈夫という好奇心旺盛なカップルなら、一緒に観ても良いのでは無いでしょうか。観終わったら、映画の感想を語り合ってもよし、次のメニューにさっと気持ちを切り替えてよし、どちらでもアリだと思います。 |
キッズが主人公なので、等身大でストーリーに入り込めるとは思いますが、これが自分に起こると思うと、結構衝撃的な展開なので、せめて高学年くらいになってから観る方が、現実と区別して割り切って観られるのではないでしょうか。とはいえ、こういった作品は、論理的に考え過ぎる大人よりも、キッズやティーンのほうが、感覚的に素直に楽しめるような気もします。 |