2016年2月27日より全国順次公開/PG-12
キノフィルムズ
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本作は、アメリカに実在した音痴なソプラノ歌手から着想を得たフランス人監督のグザヴィエ・ジャノリが、『大統領の料理人』のカトリーヌ・フロを主演に迎えて映画化した作品となっています。音痴なオペラ歌手が主人公の物語ということで、てっきり歌が上手になっていく過程が描かれたお話なのかと想像していたのですが、予想外にも音痴だということをできる限り本人に伝えないようにしていくという展開だったので驚きました。 誰が聞いても音痴なのに本人だけが音痴の自覚がないことに、最初は滑稽に思えましたが、主人公の歌に対する熱い気持ちには、物語が進むに連れてどんどん魅了されていきました。演じる役者によっては単なるおバカさんのように見えてしまいそうな主人公ですが、カトリーヌ・フロが演じたことによりチャーミングなキャラクターになったように思います。 主人公が夢に向かって邁進していく様子に加え、夫婦関係や、音痴な主人公になかなか真実を告げられない周囲の人間模様を描いている点も見どころとなっています。(主人公以外が歌う)美しい歌もたくさん登場するので、オペラに詳しい人はもちろん、あまり歌に興味がなくても一人の女性の生き方として楽しめると思います。ぜひご覧ください。 |
どのデートで観ても大丈夫ですが、夫婦や付き合いの長いカップルには特にオススメです。本作の夫婦を観ていると、長年連れ添ったからといって、お互いのことを何でもわかっていると思ってはいけないということがよくわかります。ぜひ2人で観て、本作の夫婦のようにならないよう、お互いに何か些細なことでも不満がないか早速確認してみるのも良いかも知れません。何事も素直が一番です(笑)! |
PG-12なので、12歳未満の方は大人と一緒に観ることをオススメします。ティーンは、音痴な主人公がお金持ちであることで周囲が彼女をヨイショし、真実を本人に告げないという大人の事情を反面教師として観て欲しいと思います。時代や文化の風潮などもあるのかも知れませんが、やはり正直に物事を伝えられないことは決して良いことではありません。小さな嘘の積み重ねがどんな結果を招いてしまうのかはぜひ本作で確認してください。 |
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2016.2.17 TEXT by Shamy