2016年10月28日より全国公開
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト
“ダ・ヴィンチ・コード”シリーズ映画化第三弾となる本作は、一人の天才大富豪の陰謀を暴くもので、シリーズの前作とはトーンが変わっています。シリーズ前作は、秘密結社イルミナティの陰謀を暴く内容で、まだまだいろいろ解明されていない事がありそうだし、フリーメイソンとの関わりなど、実在する個人や団体事象との関連から、大変興味が湧いたのですが、今回はあまりそういう複雑な背景はなく、個人的には前2作のほうが好きです。でも、ある意味今作はシンプルなので、より観やすいとは思います。人口過多によって、“100年後に人類が滅亡する”か、“今人口を半分にして生き延びるか”という究極の選択を謳っていますが、そこはあまり葛藤が見えず、少し物足りなさを感じました。ただ、リアルに考えて、後者の“今人口を半分にする”という策はただのテロになってしまう事を考えると、その辺は選択の余地はないですけどね(苦笑)。総合的な印象は、今回は歴史的遺産から読み解く行程よりも、登場人物の関係性の変化によるどんでん返しのほうがハラハラドキドキが楽しめます。 |
ロマンチックなムードになるような展開はなく、こういう謎解き映画はどっぷりと一人の世界に入り込んで鑑賞しがちなので、敢えてデート向きとは思えませんが、鑑賞後に謎解きの解説をしたりして、ちょっと良いところを見せたいという男子にとっては、グッド・チョイスなのかも知れませんね。そういう男子の企みに付き合ってあげても良いという優しい女子は一緒に観てあげて、彼の見立てに「なるほど〜」「すご〜い」「私、そこまでわからなかった〜」などと褒めてあげてください。 |
キッズにはまだ難しいと思いますが、中高生以上のティーンは、授業でダンテ、「神曲」などについて習っていたら、こういう映画を観ることでより興味が湧くと思います。映画には有名な絵画や美術品、書物、歴史的建造物などがキーワードに使われることがありますが、意外にも普段の勉強がエンターテイメントを楽しむときに役だったりするので、無駄ではないと思えば、よりやり甲斐も感じられるのでは? |
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2016.10.17 TEXT by Myson