2013年8月30日より全国公開/R-15
ブロードメディア・スタジオ
公式サイト 予告編
『モーターサイクル・ダイアリーズ』のウォルター・サレス監督作ということで興味を持ちました。本作はビート・ジェネレーションと呼ばれる時代の作家たちがモデルとなったストーリーです。モデルとなったのは「路上」の作家ジャック・ケルアック、「吠える」のアレン・ギンズバーグ、「裸のランチ」ウィリアム・バロウズなど。お恥ずかしながら私は彼ら小説家についてあまり知らないので実在のモデルとなった作家のイメージに照らし合わせて観ることはなかったですが、普通に青春映画として観て、かなり破天荒な生活ぶりのほうに「本当にこんな生活してたのか」と驚きました。どの青年も将来への不安や社会への不満、人間関係でのストレスを抱えながら、それに飲み込まれまいとして反発しているように見えましたが、彼らが何をやりたいのかわからないと感じてしまうのは、それがそのまま彼らの心境なんだろうなと思いました。楽しそうに振る舞いつつもどこか悲しげ。そんな何とも言えない空気を放つ作品でした。 映画好きの見どころとしては豪華共演です。『トロン・レガシー』のギャレット・ヘドランド、『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートのほか、エイミー・アダムス、キルスティン・ダンスト、ヴィゴ・モーテンセン、『MAD MEN マッドメン』のペギー・オルセン役でお馴染みのエリザベス・モスも出演しています。 正直なところバシッと理解できたとは言えないですが、噛めば噛むほど味が出る作品だと思います。同じところを堂々巡りしている人間とそのサイクルから抜け出した人間の違いを考えさせられたり、生きる世界を自分で選択するとこれまで見ていた世界が全く別物に見えることに気付かされたり、捉え方次第でいろいろと解釈ができる点もおもしろいです。 |
デートで観るようなタイプの映画ではないと思います。理解の深さによって、感想も満足度もかなり違うと思うので、ちょっとかっこをつけたい人は観終わった後に気楽に気の利いた感想を言うのは難しいでしょう。自由に思ったことを言い合えるカップルは、逆にディスカッションしてみることで自分が理解できなかったこともわかってくるかも知れません。性的な描写も出てくるのでウブなカップルは1人か友だちと観る方が良いでしょう。 |
R-15なので高校生以上のティーンは観られますが、18、19歳くらいの大人になりかけのティーンは特に一番登場人物たちに近い感覚で観られると思います。自分で自分のことが理解しきれていないもどかしさ。いつまでも子どもでいたいし自分だけでなく周りも子どもでいて欲しいという感覚も結構リアルに感じるでしょう。頭で観ないで心で観て、感じるままにしてみましょう。本作が自身を客観視するきっかけになり、自分のことも少しわかってくるかも知れません。 |
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2013.8.17 TEXT by Myson