2016年6月4日より全国公開
ハーク
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ソン・ガンホが出演しているととりあえず観ようと思うので観てみましたが、やはり期待通りに重厚感のある作品でした。王という使命を背負った2人の男の、親として息子としての苦悩を描いているのですが、最初は一方に共感しつつ、両方の視点が描かれるにつれ、どちらにも一理あると思えてきて、複雑な思いにかられます。まさにこのもどかしさが“王の運命”なのだなと思わせる内容なのですが、愛や情けだけでは済まされない残酷な運命だなと思うと、つくづく自分は平民で良かったと思ってしまいます(笑)。ソン・ガンホが演じた英祖も、ユ・アインが演じた思悼世子も、多面的な役柄でしたが、2人とも見事に演じていて、物語にすごく引き込まれました。英祖、思悼世子の物語がメインですが、思悼世子の子を含め、3世代にわたる物語となったときに、真相が見えてくる構成も素晴らしく、最後は少し救われました。すごく空しくて切ないお話ですが、こういう残酷な人生ドラマは学ぶべきところも多く、観て損はありません。 |
ヘビーな内容なので、正直デート向きではありません。でも、映画としては見応えがあるので、2人とも興味が湧くなら観ても良いと思います。エロティックな要素として気まずくなるようなシーンはないので、そういう心配は不要です。王家のお話ですが、親子の物語として観ると、身近なお話に感じられる部分もあると思うので、観終わった後にお互いの親子関係を話すきっかけにすると良いでしょう。 |
「なぜお父さんは僕にそんなに厳しいのか?」なんて感じたことのある人は、いち参考に観てみると良いでしょう。もちろん、皆が皆、お父さんがこうだということではないですが、子どもに期待したり、守りたいからこそ厳しくなるという、親なりの考えは少し想像できる部分があると思います。この物語は王家の親子という特殊な設定ですが、どんな親子にも共通する関係が描かれています。逆に自分の思いを親にわかってもらうには、どんな方法が良いのか、客観的な視点を得るために観てみるのも良いかも知れません。 |
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■TJE Selection イイ男セレクション/ソン・ガンホ
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2016.5.30 TEXT by Myson