2014年9月13日より全国公開/R-15
ファントム・フィルム
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池松壮亮は最近こういう濡れ場が多い映画にひっぱりだこですね。こういう役をやる彼を観る前は、童顔なのでセクシーな印象は全くありませんでしたが、どんどんセクシーに見えてくるのが不思議です。若さと男の色気という同居しなさそうな雰囲気を併せ持つという点でとても魅力的な俳優さんだと思うし、だから重宝されるんでしょうね。演技もとてもリアルなので、いつも引き込まれます。そして、一番驚くべきはやはり主演の市川由衣です。ここまで体当たりの演技を見せているとは、女優としての覚悟を感じます。女優さんが脱ぎどころというか、どんな作品で脱ぐのかというのは、その後の女優生命にも関わるすごく重要な問題だと思いますが、この作品で勝負したのは正解だったのではないでしょうか。ストーリーといい、共演者といい、原作者が当時18歳で書いた小説という話題性といい、ヌード目当てだけで終わらせない見応え十分な作品に仕上がっています。 そして、本作に込められたメッセージについてですが、当時18歳の女子高生が書いた内容として等身大というか、とてもリアルな感情が描かれていたと思います。最初は愛に憧れもあってか、純粋に愛に体当たりして、徐々に大人になるにつれ、愛への疑いも抱き始める。そういった純粋さとワガママが同居した複雑な心情が伝わってきました。ラストの海辺のシーンは、本作が表現しているテーマがストレートにわかるシーンになっていましたが、「愛されていないと強かったのに、愛されると弱くなる」という言葉がすごく刺さりました。どうしようもない感情にさせられる映画ですが、この感覚をぜひ味わってみてください。 |
濡れ場も多く、内容的にもカップルで観るにはいろいろな意味で気まずいシーンがあり、デートには向いていません。好きな人にどんなに冷たく、どんなに酷い扱いを受けても追いかけて、逆に愛されるとその愛がわからなくなり愛を壊そうとしてしまう、そんなどうしようもない女子の心情を描いている作品です。じっくり一人で観るか、女同士で観ると良いでしょう。 |
R-15なのでキッズや15歳未満のティーンは大きくなってから観ましょう。原作者はこの小説を書いた当時18歳だったということで、この映画を観られる年齢のティーンの皆さんは、主人公たちに等身大で感情移入できるのではないでしょうか。ヌードや濡れ場が多いので、家族や友達と観るのは恥ずかしいかも知れませんが、同性の仲の良い友達なら一緒に観て、自分なら今後どんな恋愛がしたいかなど話し合うと盛り上がると思います。 |
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2014.9.10 TEXT by Myson