視覚的なインパクトがとても魅力的な作品で、一歩この世界に入ったら、もう抜け出せないような、良い意味でちょっと怖い感覚があります。抽象的な描写が多いので、どう受け取るかは人それぞれだし、意味不明と感じて終わる人もいるかも知れません。精神世界を描いているとも言えるので、哲学的な作品が好きな人には合うと思います。あくまで私の解釈ですが、自分がいる世界について嫌気が差していた主人公が、ある不思議な体験をきっかけに新たな視野を得て、一歩踏み出すストーリー。キラキラしたセレブの世界が歪んで見える、もしかしたら本当に歪んでいるのかも知れないと思わせる、現代の幻想を壊すメッセージも感じられました。そして、アンドリュー・ガーフィールドの演技は今回も見事で、ダメ男ぶりもチャーミングで母性本能をくすぐられます(笑)。 |
わかりやすい映画とは言えず、性的描写も少なくないので、デートで観るには少々気まずいかも知れません。アンドリュー・ガーフィールドが演じる主人公と、ライリー・キーオが演じる美しい女性が良いムードになる場面もありますが、ロマンチックなラブストーリーとは少し違うので、1人でじっくり観るか、映画好きの友達と観るほうが楽しめそうです。 |
キッズにはまだ難しい内容ですが、中高生くらいなら、この作品が放つ独特の世界観に直感で潜り込む感覚を楽しめる人もいるかも知れません。まずは何かを解釈しようと力まずに、感じるままに観るほうが、何か気付くことがあるでしょう。ティーンの皆さんは、いろんな解釈をするのが楽しいタイプの、こういう映画にもぜひチャレンジしてください。 |