TOP > 映画批評TOP > 映画批評ア行 > HERE

うさぎドロップ

2011年8月20日より全国公開
ショウゲート
公式サイト　予告編

コミックもアニメも知らなかったので、原作の雰囲気やテンションはわかりませんが、映画はSABU監督らしい演出が感じられました。で、やっぱり松山ケンイチはガンガン走らされてましたね（笑）。実際にそんなに毎朝走ってたらしんどいわ～というのと、幼児を抱っこしながらって相当大変だったろうなと演技とはいえ、マツケン偉いなと感心しました。でも、仕事と両立している世の中のパパさんやママさんは実際にもこういう感じなんでしょうね。そこそこリアルに保育所に通わせる大変さとか、保育所に預けたとしても仕事をしながら子育てをする大変さが伝わってきて、自分に落とし込んで「無理っぽいな～」と弱気になっちゃいました（笑）。でも反面、子育ての喜びなども描かれていたのでそんなしんどさも吹き飛ばす何かがあるのかもしれないなと希望も感じました。ただ、亡くなったおじいちゃんの幼い隠し子を独身の若い男性が育てるという設定が突拍子もないだけに期待しすぎたせいもあって、劇中で起こるできごと自体は思ったほど衝撃がないと感じてしまい、少々物足りなさはありました。きっと実際に子育てをしているともっと心動かされるのかも知れないですね。まだまだ私の経験値が足りないからか…。
で、やっぱり本作でも松山ケンイチが良い味出してました。ほんとどんな役やらせても、しっくりきちゃうのがうまいよな～。
子育て中の方はもちろんドンピシャではまる作品だと思いますが、これから子育てするかも知れない女性にも興味深いテーマですので、本作を観て自分ならどうか…とかシミュレーションしてみるのに良いと思います。イクメンがブームですが子育てというテーマとしては男女関係なく楽しめます。
©2011うさぎドロップ製作委員会

ちょっと結婚に逃げ腰になっている彼には「ほら、あなたもパパになると楽しいわよ」とか暗に迫っているように勘違いされて余計に引いちゃう可能性もあるのでデートで観るかどうかはちょっと考えてからにしましょう。お互いに結婚を意識している方や、子どもを作ろうかとお考えのご夫婦など、ちょっと子育てシミュレーションのつもりで観てみるには良いでしょう。また、現在子育て中の方は同じようなシチュエーションの主人公たちを観て、勇気づけられたり、ほっとしたりするシーンもあると思います。あともう子育ては卒業した世代のご夫婦も、主人公の両親の目線で楽しめますよ。

＜リクエスト1＞みおさん：匿名希望：交際期間3ヶ月未満

Q：中学二年ですがこの話はおわったあとの会話がはずみますか？それと中学生がデートで観て楽しめますか？
A：正直なところ、中学生の方だとピンと来ないところはあると思います。いろいろな視点で観ることはできるし、見方次第でもちろん楽しめますが「会話がはずむか？」というポイントで考えると、ちょっと中学生の日常とは違う話題なので、中学生にぜひおすすめとは言えません。でも、大人目線でなく芦田愛菜ちゃん演じる子ども目線で観れば、幼い頃のことを思い出したり、「自分もこんな経験ある」とか会話が出てくるかも知れません。もし、どちらかが観たいと思っているなら内容的には優しくて心が温まる映画なので観てみても良いと思いますよ。

関連記事：
■TJE Selection　イイ男セレクション／松山ケンイチ

2011.7.26　TEXT by Myson