本作は2011年7月22日に、ノルウェー王国で起きた連続テロ事件をもとに描かれています。午後3時17分に起きた最初のテロでは、首都オスロの政府庁舎前で不審な白いワゴン車に積まれた爆弾が爆発し、8名の命を奪ったとされ、本作の物語はその後、午後5時過ぎにオスロから40q離れたウトヤ島で起きた銃乱射事件にフォーカスされています。この作品は、実際の事件とその体験者の証言をもとにしていますが、被害者やご遺族への配慮などから、架空の物語にすることで、よりリアルに描こうと試みたようです。事件発生から72分のワンカットで撮っている点でも、臨場感が増しており、テロの犯人に命を狙われながらも身動きが取れない若者達の緊迫感が途切れなく続いている様子も伝わってきます。実際は、排他的な極右思想を持っていた32歳のノルウェー人が単独で行った、単独犯としては最多の77名の命を奪ったテロ事件でしたが、本作の劇中では誰が犯人かはわからない状態が再現されているので、ほとんど姿が映らない犯人が余計に恐ろしく感じます。逃げる若者達がただただ怯えている様子をずっと映していますが、銃が乱射される音が生々しく、ホッとするかと思えば、銃声が鳴り響き、死を目前にした若者達のいろいろな個性が見えてきます。もし自分がこういう場に言わせたらどうするだろうとリアルに想像させられる作品です。 |
97分間(そのうち72分間はワンカット)ずっと緊張させられる映画で、実際に起きた残酷なテロ事件をもとにしているため、デート気分で楽しめる内容とは言えません。ただ、社会問題に興味があれば、この件だけでなく、普段の関心事をお互いに話すきっかけになるので、カップルで観ても良いかも知れません。でも、1人でじっくり観るか、仲の良い友人と観るのをオススメします。 |
視覚的に残酷なシーンはあまりありませんが、聴覚的にはかなり怖いと思います。相手(犯人)が見えないからこそ恐怖心が増し、逃げる若者達の気持ちがリアルに体感できます。若者が集まっているキャンプ地が襲われる状況が描かれていて、自分だったらどうするだろうと想像させられると思いますが、キッズには衝撃が強いと思うので、せめて中学生以上向けかなと思います。 |