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美しい星

2017年5月26日より全国公開
ギャガ
公式サイト

「何だこれ？」と思わせる奇想天外なストーリーなので、宣伝担当者のお話によると、意味や結論を考えようとすると「訳がわからない」という方もいるそうです。私の場合はありのままに、このストーリーを受け止めて鑑賞したので、そういう消化不良感はなく、純粋に楽しめました。というのも、こういうと本当に気持ち悪がられそうですが、「自分は宇宙人かも知れない」という感覚、わからなくもないからです（笑）。周囲の人をすごく俯瞰してみちゃっていたり、変に物事をすごく割り切る事ができたり、どこか人間味が欠けていると言おうか、ドライ過ぎる自分を自覚する時にこういう感覚があります。あ～、こんな事書いてて超やばい奴ですね（笑）。ともあれ、こういうストーリーを書いちゃう原作者の三島由紀夫ってやっぱりすごいなと思いました。映画を先に観ちゃうと、原作は読むに至らない事が多いのですが、これは本気で原作を読んでみようと思います。
本作はコミカルでありつつ、恐ろしくもある点で、物語の深みを感じました。リリー・フランキー、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介というキャストの演技力でより、ストーリーがよりリアルに感じられたのも魅力の一つ。あと、何と言っても今回の亀梨和也は良かった！アイドルっぽい映画でカッコ良い役をやるよりも、こういった作品で人間臭い、必ずしもカッコ良いとは言えない役を演じたほうが、彼の俳優としての手腕がわかる気がします。とはいえ、キャラクターはカッコ良い設定じゃなくても、今回の亀梨和也はこれまで観たなかで1番魅力的に思えました。内容がぶっ飛んでいるだけに、いろいろな方と感想を交換したくなる映画でした。反応次第で、“潜在宇宙人”同士でビビッと来るかも知れませんね（笑）。

最終的に、恋愛沙汰などはどうでも良くなってくるストーリーではありますが、カップルで観ると微妙な空気が流れそうなシーンがいくつかあり、デートで観るよりも、友達と観るか、1人でじっくり観るほうが良いと思います。感想が大きく分かれそうな内容でもあるので、極端に噛み合わない場合に、「相性悪いのかな？」と変に気にするくらいなら、一緒に観るのは控えておきましょう。

大人向けの作品ではありますが、中学生以上なら楽しめると思いますし、大人よりも素直に観て、難しい事は考えず、感覚的に楽しめるかも知れません。結局何が言いたいのかと考え出すと、答えはすぐに見つからないと思いますが、それを考えて、いろいろな人と意見を交換するのが楽しい作品なのだと思います。興味があれば、原作も読んで、比較してみるのも良いでしょう。

2017.5.8　TEXT by Myson