2015年9月4日より全国公開
キノフィルムズ
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利口だけれどいじめられっ子の少年と、破天荒もしくは頑固じじいの心温まる物語は、今までも数々観てきたので、前半は正直なところお約束な展開に思える部分もありましたが、後半に本作の核となる部分が描かれていて、終盤はウルッときました。ビル・マーレイが演じたヴィンセントのキャラクターの描き方については、冒頭から辿ってみれば、うまくフェイクしている部分もあり、彼の見た目と内面にギャップがあることをうまく表現していて、後半の展開にうまく繋がっています。ナオミ・ワッツが演じたキャラクターもおもしろかったですが、ロシアなまりが上手くて笑えます(本場ロシア人が聞くとうまいのかはわかりませんが)。他にも、コメディ映画の常連メリッサ・マッカーシーや、個性派俳優クリス・オダウド、テレンス・ハワードなど、キャストが粒ぞろいな点も嬉しいところ。 聖人という表現は、必ずしも誰もが知る偉大な人にだけ当てはまることではなく、身近なところにも聖人と呼べる行いをしている人がいて、そういう周囲の人から学べることはたくさんあり、人は見かけによらないということをシンプルに描いている作品です。自分の日々の行いをちゃんと見てくれている人がいるんだなとも思える内容なので、今の自分の頑張りが誰にも認められないともがいている方は、観てみてはいかがでしょうか。 |
ちょっとHなシーンは出てきますが、気にするほどでもなく、基本的にキッズとおじいちゃんのお話なので、どんなカップルのデートで観てもオーケーです。ラブストーリーではありませんが、ステキな夫婦愛も描かれているので、そういう点ではカップルのお手本になる部分もありますよ。また、子どもってこういうところを見てるんだなと思うシーンもあり、お子さんがいる夫婦で観ると、自分たちを客観視できる点もあるでしょう。 |
キッズが活躍する映画なのでストーリーに入り込みやすいでしょうし、小学生が観ても理解できる内容です。真似しちゃいけない大人は世の中にたくさんいますが、そういう大人からも学べることはあるし、人は見た目で判断してはいけないことがわかります。大人は長い人生のなかでいろいろな事に疲れてしまい、本当の自分を偽ってわざと悪ぶるようなひねくれ者もいますが、この映画に登場する大人達を観察して、どんな大人になりたいかを考えてみるきっかけにしても良いでしょう。 |
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2015.8.18 TEXT by Myson