本作は、自閉症のウェンディが、大好きな“スター・トレック”の脚本コンテストに参加するために悪戦苦闘する様を描く、ロードムービー。なぜ、“スター・トレック”なのかというところも重要で、クライマックスでその真相が明かされるのですが、ウェンディの心の葛藤と成長とが、ウェンディが描いた世界と同時進行するように描写されていて、最後に感動を呼びます。といいつつ、実は個人的に1番感動したシーンは、ラストではなく警官とのシーン。無謀な冒険を始めてから散々な目に遭うも、諦めずに目的地を目指したウェンディが、やっと心を開ける相手と交流する場面です。そのシーンがとてもユーモアに溢れていつつ、情緒的で、脚本の上手さを感じました。そして何より、ダコタ・ファニングの演技が見事で、すごくリアルです。自閉症を抱えながらの冒険劇は、波乱の連続ですが、観る者に勇気と希望を与えてくれます。 |
ロマンチックな要素はあまりありませんが、主人公ウェンディの冒険劇は、人と人との心の繋がりの大切さを教えてくれるし、感情をうまく表現できなくても、本当は思いが溢れている人もいるということがわかるので、不器用な性格の人はデートで一緒に観ると、それをきっかけに普段言えないことを話せるかも知れません。世界観も可愛らしいので、デートで観るのに合う雰囲気だと思います。 |
私も中学生の頃、同級生に自閉症の女の子がいました。当時は自閉症についてよくわかりませんでしたが、その時にもっと彼女について知っていれば良かったなと思います。キッズやティーンの皆さんの周りにもいるかも知れませんが、本作は自閉症についていろいろなことを教えてくれるし、周囲の人がいかに思い込みを持っているかを教えてくれます。ぜひ今観て自閉症について知って、考えてみてください。 |