2013年10月19日全国公開/R-15
キノフィルムズ
公式サイト 予告編
先生の目に留まった高校生の作文が軸で展開していく物語。個人的に作文という響きがかなり懐かしく子どもらしい言葉のイメージがありましたが、本作の主人公クロードが書く作文はかなり大人っぽくて、大人の世界をどんどん掻き乱していきます。孤独な少年クロードは、ある同級生の家に勉強を手伝いに通い、そこで体験したことを作文にしています。それに先生がアドバイスを加え、作文の続きを提出し続けるのですが、ただの日常を書いているだけに思える文章のなかに1つ特徴的な言葉を加えるだけですごく何か意味を持ったり、皮肉が入ったりというのがよくわかります。だんだんと彼が実際に体験したことなのか、妄想なのかがわからなくなってくるので、後半はスリリングな展開になってきます。 一見、1人の少年の成長記を描いているようで、実は女性の内面の動きまで描いている本作。すごくさりげなくですが、クロードの作文が引き金となって、女性たちの心のなかで何かが変わっていくのがわかります。こういう演出はさすがフランソワ・オゾン監督ですね。日常を描いた映画なので派手さはなく、抽象的な表現も多いですが、大人の女性にはピンとくる部分も多いと思いますよ。 |
好みが分かれる作品なので、誰でもデートでどうぞという感じではありません。わかりやすい映画が好き、エンターテイメント性の強い物語の起伏が激しい展開が好きという方には向かないので、相手の好みを考えて誘いましょう。若干気まずくなる内容もあります。フランソワ・オゾン監督の作風がある程度わかった上で観る映画好きなカップルには良いですが、女性の内面にもフォーカスした作品なので、女子同士か一人でじっくり観るのをオススメします。 |
R-15なのでキッズには観られません。全てを理解しようと構えずにティーンは主人公のクロードと同じ目線で楽しむと良いでしょう。彼と同じように作文を書いていく過程でいろいろな言葉を使い分けると、文章のニュアンスがどう変わるかなども参考になります。学校の課題でやらされると思うと億劫に感じるでしょうが、本作を参考に次に書いてみるときは小説のように書いてみると楽しいし、先生にもビックリされるかも知れませんよ。 |
©2012Mandarin Cinéma‐Mars Films‐France 2 Cinéma–Foz
2013.10.4 TEXT by Myson