2013年11月8日全国公開/PG-12
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト 予告編
スティーブン・キング原作の本作は、1976年にブライアン・デ・パルマ監督、主演シシー・スペイセクで映画化されています。そして舞台を現代に変えて再映画化された本作は、女性であるキンバリー・ピアーズが監督を務め、キャリーへのいじめの手段も時代を反映するものに変わっています。今作の主演はクロエ・グレース・モレッツなので、キャリーの見た目は不気味というわけでもなく、ただ大人しく孤独な少女という印象です。そして着飾れば女性らしく美しく変身できるキャリーは現代の若者たちにも共感しやすく、このキャリー像のおかげでただのホラーにおさまらないで観られると思います。一方でジュリアン・ムーアが演じる母親のほうが相当不気味。病的なまでに狂信的な母親が女性として成長していく娘が汚れていくような目で見ている様子は恐ろしいです。母親だけが時代に取り残されているように描かれていて、現代に生きるキャリーがいじめられる要素にも繋がっており、よりキャリーが気の毒に感じることでさらに共感を煽っているのも効果的です。 クロエ・グレース・モレッツが愛嬌のあるかわいさを持っている分、やはりいじめられっ子としての悲壮感や不気味な世界感という点でいうと、1976年のオリジナル版には勝てない気がしますが、これは好みの問題だったり、ホラーとして観るのか、青春映画として観るのかの違いにも思えます。オリジナル版を知らない人にとってはその辺は無関係なので、純粋にこの現代版『キャリー』を楽しんでください。 |
この現代版『キャリー』もホラーというカテゴリーに入れるべきか迷うところですが、怖くて観られないというほどではないので、デートで観るのも良いと思います。ただしいじめられっ子の逆襲を描いた作品なので、鑑賞後は切ない気持ちになります。自分や相手がまさにいじめられっ子の場合に、その後のデートでしょんぼりした空気になる可能性はありますが、そういうときこそ本音を聞いて元気づけてあげれば絆が深まるでしょう。昔のことを思い出すこともあるかも知れませんが、これを機に学生時代の話をお互いにするのも良いですね。 |
真面目に観るか、ふざけて観るかによって、感じ方が真逆になりそうですね。基本的にはエンターテイメントとして楽しんで欲しいですが、キャリーと同じように学校でのいじめ問題に直面する可能性のあるキッズやティーンの皆さんには真剣に観て欲しいと思います。いじめはなぜ起こるのかを考えてみたり、集団心理の怖さを知りましょう。「みんなやってるから」はダメです。ちゃんと自分で考えて、やって良いことと悪いことを見極めて、良い友達を作れるように、個性的な友達も受け入れる心を持って欲しいです。PG-12なので親子で観たあとに話しあうのも良いですね。 |
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