2018年5月25日より全国公開
KADOKAWA
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実話をもとにしたフィクションですが、どの部分がフィクションかを度外視しても、かなり衝撃的です。何が一番驚くかというと、クリストファー・プラマーが演じるジャン・ポール・ゲティの銭ゲバぶり。お金を持ちすぎて執着がないようにも見えますが、実際にはすごくお金に縛られていて、孤独で不幸な男です。誘拐された孫の身代金さえ、節税の対象として処理しようとする様子にはドン引き(笑)。でも、お金があるから孤独なのと同時に、孤独だからこそお金に執着しているようにも思えて、皮肉な人生だなと思いました。ゲティ氏の言動には不可解なポイントがいくつかありますが、お金を持っていても、こんな風なら無駄にしかなりません。お金はあっても困らないと言いますが、困るレベルも存在するのだとわかります。 名優達の演技も見もので、ミシェル・ウィリアムズは多面的なキャラクターの母親役を見事に演じていて、事件の被害者なのにも関わらず、バッシングを受ける立場の辛さがリアルに伝わってきます。クリストファー・プラマーが演じるジャン・ポール・ゲティも魅力的に見える部分と憎らしく見える部分が両方あって、成功を得つつ、幸せを掴みきれないまま年を取ってしまった老人のいろいろな年輪を感じさせます。お金に執着し過ぎてるなと感じたら、ぜひ観てください。 |
ロマンチックな展開もないし、お金に振り回される人々のストーリーなので、こころ穏やかには観られませんが、結婚を視野に入れて交際しているなら、金銭感覚を知っておくのは大切なことです。普段、お金について話す機会はあまりないと思うし、話しづらいと思いますが、感想として述べるなら、言いやすいので、お互いの価値観を知るために、一緒に観ても良いと思います。 |
大人向けの作品ではありますが、良からぬ意味でお金のパワーの強さを実感できるストーリーなので、ティーンの皆さんには観て、いろいろと学んでもらえたらと思います。お金がなくても困りますが、あり過ぎても不幸になる状況が描かれています。皆さんの中からも大人になって大儲けする人が出てくるかも知れませんが、ジャン・ポール・ゲティを反面教師としてよく観察しておいてください。 |
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2018.5.16 TEXT by Myson