2015年10月7日より全国公開/R-15
アット エンタテインメント/配給協力:武蔵野エンタテインメント
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タランティーノが選ぶベスト10入り、サンダンス映画祭では監督賞を受賞の本作。平凡な主婦の退屈な毎日を描いているのに、あまりにもドラマチックで、痛いくらいに現実的です。セックスレスに悩む専業主婦のレイチェルがセラピストに「セックスをするなら、午後3時がいい」と語るセリフにまず引き込まれますが、このセリフだけでも、主人公の疲れ具合がひしひしと伝わってきますね。バタバタとした毎日を過ごして、ほっと一息できる時間帯でないとセックスをする気力すら起きないということなんでしょう。なんてドライな(笑)。でも、彼女の根本の不満はきっとセックスレスではないのだろうとわかってきます。ストリップ・ダンサーのマッケナとの出会いによって、レイチェルのなかで眠りつつあった女の部分が再び目覚めてくるのですが、“自分のなかの女を見失っている女”と“女を武器に生きる女”の対比が実に見事です。そして、価値観が全く違う人間同士の助け合いが、最初は美しくもやがて破綻していく様子も、すごく現実的で残酷で、見応えがありました。主演のキャスリン・ハーンのちょうど良い崩れ感も役にぴったりでした。このキャスティングも功を奏して、本作のリアリティを高めていると思います。 疲れているそこのあなたに、ぜひ観て欲しい作品です(笑)! |
セックスがテーマの1つとなっているだけに、ベッドシーンや性的描写がいろいろ出てきます。また日々悶々とした不満を抱えながらも、どこにぶつけて良いかわからずにいる女子が、自分を客観視するのにオススメな映画なので、デート向きの作品ではありません。でも、冷め気味のカップルが、荒療治とわかっていて、本作を観るのは良いかも知れません。もしくはセックスレス予防のために安定カップルが観るというのもありでしょう。 |
R-15なので15歳未満のキッズやティーンは観られません。とはいえ、15歳以上ならオススメなのかと言うと、そうは言えません。完全に大人の話だし、自分のこととして観るよりも、「うちの両親ってどうなんだろう?」なんて、望まぬ想像を膨らましてしまうかも知れません。なので、もっともっと大人になってから観ると良いでしょう。 |
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2015.11.9 TEXT by Myson