2016年9月10日より全国公開
トランスフォーマー
公式サイト
ミシェル・ゴンドリーの自伝的青春ストーリーということで、観ないわけにはいきませんよね。女の子のような容姿の少年ダニエルと、転校生テオのひと夏の冒険を描いているのですが、特殊効果を使うわけでもなく素朴な日常を映しているだけなのに、すごくファンタジックで、ミシェル・ゴンドリーの原点を感じさせる世界観がありました。テオがお得意のメカニック技術で、部品を寄せ集めて“動くログハウス”を作るのですが、これがアナログなのに機能的でビックリ。この車が実際にどこかに置いてあったら、観光スポットになるだろうと思うほど、ボロいけれど可愛くて、良くできた車なんです。どこまでミシェル・ゴンドリーの実体験に添っているのか気になるところですが、資料に寄ると、ダニエルがミシェル・ゴンドリー、テオは彼の当時の友人数名を一緒にしたキャラクターだそうで、ミシェル・ゴンドリーのいくつかの思い出をもとに作られた物語とのこと。動くログハウス自体は、当時作りたいと思っていたけれど実現せず、この映画で現実のものとなったとありました。いずれにしても、監督して世に送り出してきた作品のルーツがここにあるというか、ミシェル・ゴンドリーの想像力の豊かさは持って生まれたものなんだなと改めて感じました。 主人公は子どもと大人の狭間にいる14歳。目の前のどうでも良いことを優先させて計画性がなかったりする点は、14歳のリアルな青春を描いているなと思いましたが、“今できることに集中する”“今の自分の気持ちにフォーカスする”という、こういう感覚がすごく愛おしく感じました。“子どもの頃の自分に再会”したい方は、ぜひご覧ください。 |
14歳の少年2人のひと夏の物語なので、恋愛モードに直結する展開はないですが、少女に恋してもがく主人公ダニエルの姿や、途中で喧嘩しながらも結局は仲良く旅する少年2人の姿が愛おしくて、鑑賞後はお互いに優しい気持ちになれるはず。大人カップルが観ても、自分達の少年少女時代を語るきっかけになると思います。 |
特に主人公達と同じ中高生に観て欲しい物語です。思い立ったらやってみる、やりたいからやる、そういう感覚は大人になると薄れてしまう人がほとんどです。でも、そういう経験を子どもの頃に経験しているのといないのとでは大違い。この映画では、2人の少年の“無謀な旅”が描かれていますが、失敗を恐れない勇気と希望に満ちあふれていて、ワクワクします。ワクワクを映画で体感したら、ぜひ自分でも実行に移してみてください! |
©Partizan Films- Studiocanal 2015
2016.8.12 TEXT by Myson