2015年4月17日より全国公開
キノフィルムズ
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本作は、内戦で両親を亡くしたスーダンの子ども達が自分たちだけで生き延び難民キャンプへ合流、アメリカに渡った“ロストボーイズ(スーダンの内戦で両親を亡くした難民たちの呼称)”の実話をもとに描かれています。村が襲撃され、親の遺体を目撃しながらも、生きるために逃げ、長距離にわたり砂漠を歩き、難民キャンプに合流するまでの過程があまりにも過酷で、子どもながらに生きるためにここまでできるとはその強さに圧倒されました。その後もいつ殺されるかわからない状況を何度もくぐり抜け、恐怖と戦いながら日々を過ごしていくのですが、子ども達の絆が本当に強固で、それがのちのちの物語に大きな意味を与えていきます。 前半はかなり壮絶な物語が描かれているのですが、後半はアメリカに渡ってからの彼らの生活ぶりや、彼らとアメリカ人のカルチャー・ギャップがユーモラスに描かれていて、心が癒される部分も多々あります。ただ、やはり文化が全く違う彼らがアメリカの生活に慣れるのには大変な苦労があり、そんな彼らの姿や純粋な視点は資本主義で裕福になり過ぎた社会に慣れてしまった私たちにいろいろなことを気付かせてくれます。家族は一緒にいるべきで、助け合うべきだと、強い絆で結ばれている“ロストボーイズ”。この映画のタイトルにある“グッド・ライ=良い嘘”の意味は、私たちが日常で使うような軽いものではなく、彼らにとっては命を懸けて大事な人を守るための嘘です。綺麗な心の人間が嘘をつくときは、あんな風に人のために使うんだなと、心が洗われる思いと同時に、とても心が痛みました。あんなに大変な思いをしたのに、絶対に人から受けた優しさや恩を忘れない彼らの人間の大きさに本当に感動させられます。ちなみに本作で“ロストボーイズ”を演じている俳優陣は皆実際に難民、少年兵の経験があるというのも驚きです。必見の人間ドラマですよ! |
ロマンチックなムードはありませんが、本当に心が洗われるような素敵な物語です。良い嘘はこういうときに使うんだと、人への思いやりを改めて感じさせられる内容なので、ぜひカップルで観て欲しいと思います。いつもしょうもない嘘を付いている彼氏や旦那を連れて行き、良いお手本としてこの映画を見せるのも良いのではないでしょうか。 |
この物語は実話をベースにしていて、前半は幼い少年少女が過酷な道のりを命を懸けて歩いていく壮絶なストーリーです。本当に子どもがこんな壮絶な道のりを乗り越えたのかと大人が観ても信じられませんが、他の国ではこういう現状があることを知るきっかけに、キッズやティーンの皆さんにもぜひ観て欲しいと思います。そして、自分の命が危なくても兄弟、仲間を助けようとする強さと、一緒に仲良く力を合わせて生きようとする彼らの姿はいろいろ大切なことを教えてくれます。 |
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