2015年1月17日より全国公開
ファントム・フィルム
公式サイト
バリに実在する“アニキ”と呼ばれる日本人大富豪をモデルに映画化された本作。借金苦で自殺をしようとバリを訪れた元社長の女性が、アニキに出会い、彼のもとで過ごすうちに新たな生き方を見出していくというストーリーです。映画のなかには、アニキ語録的に人生論、ビジネス論における格言が多数出てくるのですが、これは実際に“アニキ”本人が発言した内容を採用しているとのことです。この格言、大変ためにはなるのですが、こればっかりだと説教じみた映画になってしまいますよね。でも、堤真一がピッタリ“アニキ”役にはまっていて、しょーもないダジャレを連発したり、パンチパーマにだっさださの格好でイキイキと動き回ったり、前半はとにかくその様子を観ているだけで可笑しいので、コメディとしてうまく中和されて作られています。後半はドラマが盛り上がってきて、キャラクターたちがどう人生の苦難を乗り越えるのかに焦点が当てられています。アニキの成功ぶりや彼の良い状況だけでなく、困難が現れたときにアニキだって弱い部分を見せるという人間らしい一面も描いているのは好感が持てました。 “アニキ”の存在をもともと知っていてビジネス本を読むような感覚で本作を観た人にはちょっと軽すぎるかも知れませんが、一般の方が観るにはちょうど良い軽さの“ためになる話”です。でも、「何かを学ぼう」と力んで観なくても、単純に堤真一の演技に笑える一作です。 |
ラブストーリーの要素はほぼ無く、コミカルな映画なので、どんなカップルでも楽しめますが、人生論、ビジネス論が語られているので、そういうのを素直に受け入れられない相手を誘ってしまうと男らしくない言い訳を並べられて面倒です。今何事も上手くいっていない相手には良い効果をもたらしてくれそうな前向きな映画ではありますが、映画からの助言を押しつけるのはやめましょう。あなたも彼の話を素直に聞いてあげて、優しく応援してあげれば、より心に響くかも知れません。 |
ビジネスで失敗した女性が“アニキ”に教えを請うという流れではありますが、ビジネスは関係ない視点で観ても、大切なことをたくさん教えてくれる内容です。“アニキ”が教えてくれるのは、とてもシンプルなことで、人間力を磨くためのものなので、キッズやティーンの皆さんにも実行可能。財や名声を築く前に、まずは人間力を磨きましょう!そうすれば大物になれるかも知れませんよ。 |
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© 2014「神様はバリにいる」フィルムパートナーズ
2015.1.13 TEXT by Myson