2016年8月27日より全国順次公開
ギャガ
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主人公のトンマーゾは、一見嫌なヤツなんですが、家庭での会話には寛容な一面も見えて、根本は悪い人ではないというのが見えます。とは言え、一流の心臓外科医である彼は、息子への期待も大きく、自分と同じく医師になって欲しいと願う点では頑固で、親心って複雑だなと思いました。こういう設定のなかで、この邦題から、だいたいのストーリーは想像できてしまうのですが、イタリア独特の陽気なノリと、皮肉なユーモアが効いていて楽しく観られつつ、最後はすごく意味深だったので、結末をどう解釈させるのかまでを含めて、まさに“神の思し召し”ということだとすると、うまくまとめられているなと思います。この結末をどう解釈するのかは、意見が分かれそうですが、誰かと一緒に観て議論するところまでを楽しんでください。 |
描いているテーマはとても哲学的でベースは人間ドラマですが、カラッと軽いイタリアン・コメディに仕上がっているので、気楽に観ることができます。イタリア映画と言えば、恋愛に熱い国という印象ですが、この映画に関しては、おっちゃん2人が主人公なので、ラブシーンは全然ありません。そういった意味でも気兼ねなく観られます。たまにはハリウッド作品や邦画以外も観てみたいというカップルにオススメです。 |
神様の存在云々に関してまで理解できなくても、将来の職業を具体的に意識し始める中高生なら、本作の息子の立場でこのストーリーを観ると、自身の今後もシミュレーションできる部分がありそうです。親が子どもに期待する姿や、その期待とは異なる将来を選ぼうとしている子どもの姿を客観的に観られるので、もし自分がこういう状況になったら、どうするだろうとイメージできると思います。 |
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2016.8.12 TEXT by Myson