2015年8月8日より全国順次公開/R-15
キノフィルムズ
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情報をなるべく入れずに観たので、いろいろな設定が予想外で最初から最後まで楽しめました。女という生き物をいろいろな切り口で描いてきたフランソワ・オゾン監督ですが、今回もその観察力と分析力を見せつける内容になっており、女ながらに、フランソワ・オゾン監督が今作で描く女性を観て、また女への理解が深まったような気がします(笑)。男と女の性差って何なのか、そして恋愛対象としての男女の差って何なのか、とても微妙な境界線を心と身体という視点から、わかりやすくレクチャーされているような感覚で観られます。 で今回“女ともだち”を演じているロマン・デュリスですが、意外に女装が似合っていてビックリ。面長でヒゲが濃いのでそのままでは完全に女性には見えないのですが、足が細くて綺麗だし、女性的な仕草がすごく上手で、綺麗だなと思ってしまう瞬間が多々ありました。こういうところでも名優ぶりって発揮されますね。今回の役柄としても、完全に女に見えてしまう役者よりは、彼のように男らしさは見た目に少し残っているくらい(女装であることがばれるくらい)がちょうど良いというのもあって、とてもハマっていました。あと、個人的にはアナイス・ドゥムースティエが演じる主人公のクレールの夫ジル(ラファエル・ペルソナ)にとても好感が持てたので、少々複雑な思いで観たのですが、結末については賛否両論あるような気もします。というか、恋愛としての結末として観るのか、ジェンダーの問題として観るのかによって感想が変わりそうです。女子トークが盛り上がりそうなテーマですよ! |
オシャレでカワイイ映画に見えるので、デート向きに思えてしまいますが、実は全くデートに向いていません(笑)。女子は共感できるし、こういうことに関して寛容だと思いますが、男子はこういう話題に対して頭が急に堅くなる人もいると思うので、女子同士で観るか、1人で観るのが良いと思います。でも一部の男子にとっては背中を押してくれるような内容でもあるので、デートというよりは女子っぽい男友達を誘って一緒に観ると盛り上がれそうです。 |
R-15作品なので、15歳になったら観ることができます。一部エッチなシーンが描かれているというのもありますが、それよりも性差について簡単な予備知識もなく観ると内容についていけない部分もあり、キッズにはまだ難しい内容です。でも、とても大事なことが描かれているし、だんだん大きくなると実際にこういうことで悩んでいる人と直面することも出てくると思うので、15歳以上の人は頭が柔らかいうちに観て、人はいろいろだということを知って、受け入れて欲しいと思います。 |
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2015.8.3 TEXT by Myson