2012年10月12日より全国公開
ビターズ・エンド
公式サイト 予告編
園子温監督が、原発問題の映画を撮るって、どんな感じなんだろうと思いましたが、いろいろな方の怒りや絶望を感じました。監督自身のメッセージはそれはそれであると思いますが、個人的には「原発反対」などのメッセージ性よりも、非常事態のなか、誰も責めることのできない状況で人間がどうなっていくのか…という展開に引き込まれました。苦難を耐える方法は人それぞれで、極端に見える人もいるけれど、それを非難するのもどうかと思ったり、自分の良心はどう反応したら良いのかわからない、複雑な心境にさせられました。現地の方の思いは到底想像できないですが、どういう思いでこの映画をご覧になったのかがとても気になります。 主人公のお話は、実際に起きたお話をもとに作られたとのことでやるせない思いでいっぱいになりました。私の解釈ではラストは希望を描いたのだと受け取りましたが、「どう生きるか」という価値観を自分も考えさせられた一本です。 |
お気楽なデートで観るような内容ではないですが、人生観を語る上では一緒に観ると良いと思います。親子愛、夫婦愛を描いた本作は、親夫婦と息子夫婦で、二つの生き方を描いていますが、こういうときにどういう選択肢を取るのかは、一生つきあう相手ならとても重要です。また、悲しい物語ではありますが、老夫婦の強い夫婦愛がステキです。老夫婦のラストシーンは、他の日本映画では観られない熱いものを描いていて、園子温監督らしい演出だと思いました。真剣なおつきあいをしている方どうしなら、ぜひ一緒に観てください。 |
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2012.10.10 TEXT by Myson