2016年5月21日より全国公開
ショウゲート
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30代半ばでALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、“尊厳死”を決意した主人公ハンネスと、彼を愛する人々との最期の自転車旅を描いたロードムービーです。テーマ自体は重いものですが、本作はその決断に至るまでの肉体的、精神的な苦痛や葛藤といった悲壮な部分を描くものではありません。自ら命の期限を決めたハンネスと周囲の人々が、残された日々を“どう生きるか”という前向きな問いにスポットを当て、ささやかな幸せときらめきに満ちた人生の瞬間を切り取っていきます。 “尊厳死”というテーマ自体は、観る人によって賛否があるとは思いますが、この作品を観て「自分や大切な人に残された時間がどのくらいかを知っているとしたら、どう生きたいだろう?」と自問したとき、自分にとって本当に大切なものが見えてくるかもしれません。ドイツからベルギーへ雄大な自然の中を自転車で駆け抜けるシーンも美しく、鑑賞後はじんわりとした余韻が残る温かい作品です。 |
デートで観るのもおすすめです。愛する人の死を見送る側と、残して逝く側。どちらに気持ちを重ねて観ても切ないですが、愛する人がいるからこそ人生は素晴らしいのだと、改めて感じさせてくれる作品だと思います。ただし、夫婦のセックスレス問題や浮気といった際どいシーンも出てきますので、同じような問題を抱えているカップルは鑑賞後に気まずくならないようにご注意を! |
12歳未満のお子さんが鑑賞する際は、保護者の助言と指導が必要なPG-12指定の作品です。作中には夫婦や恋人間の性的なシーン、“乱交”などのワードも出てきますので、親子で鑑賞する際には気まずい空気も覚悟必至でしょう。現在の日本では違法行為である“尊厳死”について、小さいお子さんに説明するのはかなり難題だと思いますが、中高生くらいであれば命という大切なテーマについて考える機会になりそうです。 |
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2016.5.18 TEXT by min