2015年2月20日より全国公開/PG-12
20世紀フォックス映画
公式サイト
この映画はまず、セリフがすごく良い!印象に残るセリフがいくつもありました。それは、限られた命、制限された生活を送る主人公たちの境遇だからこそ見出された価値観のように見えて、そこにはどんな人にも普遍的に通じる哲学が語られています。17歳の末期ガン患者ヘイゼルは酸素ボンベをつけないと生活できなくて、13歳から入退院の繰り返し。そんなヘイゼルが心配する親のために渋々参加した患者たちのためのサポート・グループで、オーガスタスという少年に出会います。彼は花形バスケット選手でしたが、骨肉腫のために片足を切断し義足になりましたが、病気を克服。そんな2人が運命のごとく惹かれあい、最期のときを精一杯生きる物語です。酸素ボンベを片時も離さず、いつ容体が悪化するかわからないヘイゼルは、ティーンネイジャーらしい生活を諦めていましたが、オーガスタスに出会ったことでどんどんと冒険をします。とても気の合う2人ですが、もちろんそれぞれに価値観が違うところもあり、それがある種の哲学を表すがごとくセリフに込められています。そして、その考え方の違いはマイナスに作用するのではなく、相手に新しい視点を与えることになり、お互いに高め合っていく姿にはとても共感できます。病気であることに目を伏せるでもなく、病気であることを利用するわけでもなく、ありのままの自分で生きていこうとする2人に、世間は優しいばかりではありませんが、それもまた彼らを成長させるきっかけとなっています。 この映画、予想通り泣かせるシーンがいくつもありますが、笑えるシーンも結構あります。自分たちの辛い状況を逆手にとったギャグや行動にはとても皮肉とユーモアが効いています。そんな演出のなかにも、主人公たちの生きる力を感じさせられ、ベタな表現ですが“生きるって素晴らしい”と実感させられます。限られた命であってもなくても、自分はどんな人生をどんな人と送りたいか、本作はそんなことを考えさせてくれる作品です。 |
本命とのデートで観て欲しい一作。ありのままの自分で、ありのままの相手を愛する主人公たちの姿は、とても幸せそうです。多くの人に愛される必要はない、たった一人に深く愛される、それだけでとても幸せだということを語るセリフも出てきますが、本作を一緒に観ていて、隣に座っている人にそう思えたら、愛する人といられる幸福を改めて実感することができるでしょう。2人とも同じ気持ちになれれば、より一層2人の距離は縮まるはずですよ。 |
特に内容が過激というのではないですが、PG-12なので、小学生以下のキッズは大人と一緒に観ることをオススメします。ティーンの皆さんにはぜひ観て欲しい作品です。主人公は皆さんと同世代なので、いろいろな点で身近に感じられるでしょう。もし今の日常が変わってしまったら、急に今の生活を送ることが難しくなったらと想像してみるだけでも、日々当たり前に感じていることがありがたいと思えるはずです。幸い病気にならなくても、10代という時期は特別なもの。本作を観て、「もっと毎日一生懸命生きよう」と思ってくれたら嬉しいです。 |
関連記事:
■DATE MOVIE AWARDS 2nd
■TJE Selection イイ男セレクション/アンセル・エルゴート
© 2014 TWENTIETH CENTURY FOX
2015.2.9 TEXT by Myson