一体どう受け入れれば良いのかという告白ばかりで冒頭から終わりまでずっと心を縛られていた感じです。登場人物の一面しかわからない段階でのこちらの感情も物語の展開に合わせて、どんどんと変わっていきます。善悪の問題では片付けられない問題。少年だから、教師だから、母だから、幼少期に辛い経験があるから…そういう事柄への先入観がいかに恐ろしいかも思い知らされました。「人を殺してはいけない」という当たり前のこと、「人は簡単に死んでしまう」という事実、これらはわざわざ教えないとわからないことなのか?いろいろな思いが込み上げて、鑑賞後2、3日は心を引きづりそうです。R-15指定ですが、本当は中学生にも観て欲しい。『バトル・ロワイヤル』のときもかなり物議を醸しましたが、こういう映画を観てちゃんと自分で理解し考えてみることができるようにしてあげるのが、大人の責任ではないかとも思いました。 さらに、映画の演出で言えば、『下妻物語』『嫌われ松子の一生』などを手がけた中島哲也が監督を務めるいうのが意外でしたが、さすがだなと思わせる演出でした。そして、松たか子の演技が良い!冷徹なのか心があるのか、心が壊れてしまった教師の複雑な心情がこちらにも伝わってきました。いろいろな要素ひっくるめて、海外に出しても通用するような映画だと思いました。 久々にすごい映画観た!という満足感でいっぱいです。 |
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2010.8.27 TEXT by Myson