2013年9月21日全国公開/R-15
日活
公式サイト 予告編
新潮45編集部編【凶悪ーある死刑囚の告発ー】をもとに映画化した本作。原作の著者である宮本太一氏が実際に事件の調査をする際は、私生活や普段の月刊誌の仕事に支障がきたさないよう休みの日に取材を行っていたそうで、山田孝之が演じている記者ののめり込みように関しては、映画のオリジナリティーだと語っています。この役は本当に演じるのが難しいと思いますが山田孝之は見事に演じていて、役者の力量を感じさせられました。ピエール瀧とリリー・フランキーが演じる悪人ぶりもとてもリアルでゾッとしますが、特にリリー・フランキーが演じる“先生”と呼ばれるキャラクターは狂気に満ちています。こんなに非情で残忍な事件が実際にあった話だということには本当に驚かされます。でも身近にありそうでより怖いと思ったのは、首謀者以外で殺人に関わった周囲の人物が見た目は被害者のように見えて本質的には同類だということです。人間の本質的な残忍さを見事に描いた本作を観ると、傍観者や間接的に関わる人間にも立派な罪があると感じさせられます。ヘビーな内容ですが、とても見応えがあり頭に焼き付く秀作ですので、ぜひ映画好き女子の皆さんに観て欲しいです。 |
映画としてはとても見応えがありますが、デート向きではないですね。殺人事件にまつわるストーリーなので、結構エグいシーンが多々あります。ビジュアル的には大丈夫でも人間的にひどいシーンも満載なので、観終わったあとはどんよりするでしょう。映画に行き慣れていていろいろなジャンルを一緒に観ても大丈夫なカップルは良いですが、初デートや初めての映画デートでは避けた方が無難です。 |
R-15なので、中学生以下は観られません。高校生以上のティーンは観ることができますが、なかなか衝撃的な内容で映像的にもきついシーンが出てくるので覚悟して観ましょう。若い頃はワルに憧れる人もいると思いますが、本当の悪というのはこういうものなんだと思えば、逆に目が冷めるかも知れません。首謀者や実行犯だけでなく、それを取り巻く人たちも罪深いということにも注目して、人間の罪とは何なのかを考えてみて欲しいと思います。 |
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© 2013「凶悪」製作委員会
2013.9.11 TEXT by Myson