自殺を実行するために、ある場所に集まった若者達。彼らはただ死にたいだけじゃなく、死ぬことで何かを成し遂げようとしていて、死に方を重要視しているというところに本作のテーマが隠されています。自殺の理由は千差万別でどれも計り知れない苦悩が背景にありますが、若かりし頃に誰もが抱える感情の部分は共感できるところがあり、自殺を考えたことがないという人にとっても遠い話ではありません。すぐに自殺を実行に移すかどうかは全員で決めるというルールがあり、そこに一つの問題が起きたことで、すぐに自殺を実行するか否かという議論はより複雑なものになるのですが、それぞれの主張の中には説得力のある言葉もあり、死ぬことの意味について改めて考えるきっかけになります。謎解きのおもしろさもありながら、会話劇にもとても内容が詰まっているし、何より若手実力派俳優がこれだけ揃っているという点でも見応え充分です。タイトルから想起させられるイメージとは違うものも感じさせる内容なので、フラットなスタンスで観て欲しいと思います。 |
デートの雰囲気を盛り上げる内容でないことはタイトルから想像できるとは思いますが、単純に謎解きを楽しむというスタンスでも観られるので、デートで観ても問題はないように思います。人間ドラマに注目しても見応えがあり、人それぞれの価値観も描写されているので、映画鑑賞後の会話ネタは豊富に見つかるはずです。 |
思春期のティーンの皆さんにとってはすごく身近に思える内容ではないでしょうか。死にたいと思ったことがなくても、きっと共感できる部分は多くあるはずで、複雑な人間の心理を描いているので、周囲の人を少しでも理解する上で役立つ内容があると思います。人は見た目ではわからないこともあるし、話を聞いてもそれがその人にとってどれほど重みがあるかわからないこともあるでしょう。でも、人それぞれに悩みが違って、その重みも違っていることが少しでも想像できれば、映画鑑賞が有意義なものになると思います。 |