2010年8月25日リリース
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
本作は、大人へ背伸びしたいお年頃の女子が、一気に大人の世界の苦い部分を体験してしまうという一見悲劇です。原題の“An Education”という言葉通り、この悲劇から学ぶことはたくさんあって、キャリー・マリガンが演じるジェニーは、一つの将来の方向性に向かって、親が決めた道としてではなく、最後は自分が選んだ道として一歩を踏み直します。「どうして学校に通うことが必要なのか」「今やっていることは意味があるのか」誰しもが感じたことがある疑念は、自分自身で答えを見つけるしかありません。共通した正解はないけれど、自分にとっての答えはきっと見つかるんだと希望が持てる結末は、全編で感じる絶望感を見事にぬぐってくれ、清々しい気持ちにさせてくれます。そして“良心”や“道徳”とは何か、それが自分の都合によってどうにでも曲げられてしまうという描写は、一方で人間の愚かさともろさを浮き彫りにしている点も興味深いです。いろいろと考えさせてくれる一作で見応えがありました。 |
2012.12.20 TEXT by Myson