本作はヴィッキーとクリスティーナ、2人の正反対の女の子がバルセロナで過ごしたひと夏で体験した恋の物語。ハビエル・バルデムが演じるファン・アントニオという画家をめぐり3人の女性がゴチャゴチャっとなる展開なのですが、初っぱなアントニオがレストランでヴィッキーとクリスティーナを口説くシーンは、ギャグなのかなと思えるくらいに自信満々にベッドに誘うので笑っちゃいます。だって、ハビエル・バルデムって、日本人から見たらハンサムかどうか微妙ですよね。でも、どこから出てくるのか彼のセクシーさは否定しません(笑)。で前半はヴィッキーとクリスティーナ、そしてアントニオとの三角関係の行方を真面目に観ていたのですが、後半になりペネロペ・クルスが演じるアントニオの元妻マリア・エレーナが登場し、物語の展開は大きく変わっていきます。このハビエル・バルデムとペネロペ・クルスのラテンコンビが演じる喧嘩のシーンが特に見応えがあり、演技の相性をみてもこの2人がのちに実生活で夫婦になったのもうなづけます。 後半は「そんなアホな〜」な展開も出てきて、やっぱりウディ・アレンはただじゃ終わらせないなと、1本とられた感じです。「望むものはわからない、でも望まないものはわかってる」というクリスティーナと、「望むものがはっきりとわかっていた」はずのヴィッキーがこの恋愛でどう変わるのか。結末はウディ・アレンらしい皮肉な終わり方で個人的にはとても満足でした。自分の恋愛観について頭を整理するのに良い作品ですので、女子の皆さんにはぜひ観て欲しい一作です。 |
女子の恋愛観や結婚観を掻き乱す内容なので、カップルで観るよりは1人でじっくり観て自分の考えを整理するか、女友だちと観る方がオススメです。また、どんなにモテる男でも上には上がいるもんだということを客観視できる作品なので、気が多くてモテる彼氏と付き合っている人は1人でじっくり観て、アントニオをモデルケースとして参考にするのも良いでしょう。映画ごときで関係を揺さぶられない安泰なカップルは、男女で感想の違いを言い合うと楽しいと思います。 |
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2014.5.20 TEXT by Myson