2012年3月10日より全国公開/R-18
ギャガ
公式サイト 予告編
セックス依存症の男性の日常が、妹との久々の再会で変化していくストーリーですが、特に結論を述べるものではありません。でも、彼は何から逃げているのか、なぜセックスに依存したくなるのかは、じわじわと描かれていきます。解釈は人によって違うと思いますが、ブランドンは快楽に溺れていたわけではなく、心を使わずに機械のように生き、性的欲求も一種の処理義務のように行い、そうすることで自分を守ってきたけれど、妹の出現によって人間的な部分を要求され、人間として生きられるのかどうかを試したときに自分がすぐに人間に戻れないことを知る…という過程を観ているように思えました。ラストをハッピー・エンドと捉えるかどうか分かれそうですが、まだ結論は出ていないように思いました。あの電車の女性がヒントとして考えると、彼女は一歩踏み出したということを見せつけていて、ブランドンも少なからず焦りを感じ、生き方を変えてみるしかないと思っているのと同時に、不安が入り交じっているのだと思いました。妹という存在が彼を全くの孤独に葬らないということが、呪いであり救いなのかも知れません。センセーショナルな内容であることが先行してしまいがちなタイプの映画ですが、内容は完全に人間の苦悩のドラマです。 |
実際の内容は人間ドラマなのですが、とはいえエロシーンが満載なので、改めてカップルや夫婦で二人揃って観るのはちょいと恥ずかしい気もします。この映画が何を言いたいのかがはっきりとわからない=自分たちの解釈に委ねられるところが多いので、そういう映画を見慣れていない人どうしで行くと、キョトンとして終わる可能性もあります。逆にそういう映画が好きなカップルは、観終わってからどう解釈したか議論のし甲斐があっておもしろいと思います。カップルでエロいシーンを観ても平気というならば良いのではないでしょうか(笑)。 |
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2012.2.25 TEXT by Myson