2013年3月1日より全国公開/R-15
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公式サイト 予告編
爽快で豪快で165分という上映時間の長さは感じませんでした。舞台は南北戦争直前のアメリカで、物語の冒頭では主人公ジャンゴは奴隷。彼はひょんなことからわらしべ長者のようにどんどん黒人としては異例の存在になっていき、奪われた妻を取り戻す旅に出るというストーリーです。奴隷にはいろいろと役割があり、家のなかで家事をする者、外で農作業などをする者、白人富裕層の鑑賞用に格闘させられる者(劇中ではマンディンゴと呼ばれています)などがいて、同じ白人に従事している黒人のなかでも、良心的な黒人もいれば、意地悪な黒人もいて、人種では白黒つけがたいキャラクター設定もこの作品のおもしろいところです。特に憎たらしかったのが、サミュエル・L・ジャクソンが演じる執事のスティーブン。しゃべり方から顔つきまで登場したそばからイラッとさせられること間違いなし(笑)。サミュエル・L・ジャクソンってこういう役をやらせたら、本当に似合うしうまいです!本作では黒人差別用語とされる“ニガー”という言葉が連発されていますが、その数なんと137回。作品の世界観や時代背景を伝えるために必要だったというか、当時の黒人差別に対しての怒りなのだと感じましたが、こういう演出もタランティーノらしいですね。前述したとおり、善悪は黒人か白人かを問わないというキャラクター設定も含めて、敢えて“ニガー”を連発することで当時の人種差別の愚かさを描いているように思います。 |
ドバッと血が吹き出るだけではなく、肉片が混じっているような血が飛び散るリアルな銃殺シーンさえ大丈夫なら、デートで観ても良いのではと思います。銃を撃ちまくるシーンは激しいですが、ジャンゴとキング・シュルツのやりとりのなかには微笑ましくてクスッと笑えるシーンもあったり、ピュアなハートの持ち主ジャンゴのちょっとした行動は男の可愛さを感じさせたり、男女ともにそれぞれ見どころは違えど楽しめると思います。でも、初デートで女子から「『ジャンゴ〜』観に行こうよ」と言うと「どんな趣味なんだ?」「男っぽい性格なのかな?」と思われる可能性もあるので、そういう誤解をされたくない人は、彼から誘われた場合か、1回目は無難な作品を観ての2回目以降のデートで観るのが良いでしょう。 |
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2013.2.18 TEXT by Myson