2012年2月4日より全国公開
ファントム・フィルム、クロック・ワークス
公式サイト 予告編
75歳で突然ゲイだとカミングアウトした父がガンで亡くなり、父の人生、母の人生、自分の人生を振り返るストーリーは一見悲しげなのですが、クリストファー・プラマーが演じる父ハルが、75歳でありながら少年のように恋をしたりとっても幸せそうで、人生を謳歌しているという感じが本作をとても明るくしています。一方で息子オリヴァーは混乱のなか喪失感で潰されそうになったり、対比して描かれる息子の世界は切なさでいっぱいでしたが、運命の女性との出会いにより自分の問題や、愛とは何かを理解しようとすることで、最後にオリヴァーにも新しい世界が見えてくるという展開に共感しました。ぎこちなかった家族でも、本当は愛に溢れていた家族だったんだなと感じさせるストーリーでした。 この物語は監督のマイク・ミルズが実際に体験したことというから驚きですが、彼が感じたことが本当にリアルに描かれているんだなと感じました。それに彼自身が世界的アーティストだけあって、映画の世界観も独創的でアーティスティックです。そんな要素もあいまって、切ないけれどとても温かく可愛らしさを持つ個性的な映画になっています。 あと、物語の後半でなぜゲイの父が母と結婚したのかを語るセリフがあるのですが、ここは相手が異性同性にかかわらず男女が生涯を共にするかどうかを考えるときに決め手となる部分なんだろうなと思いました。優しい気持ちになれる一作ですので、ぜひ! |
75歳にして突然ゲイということをカミングアウトした父と、その息子の物語ですが、性別を超えて愛とはどういうことかを考えさせられるストーリーです。それにこれは監督自身の体験を綴った映画なのでとてもリアル。ずっと本当の自分を隠して生きてきた父が、母が他界したあとに残りの人生を自分らしく生きようとします。一方で、息子の恋愛が同時展開しますが、「誰かと共に生きていくこと」に対して、すぐに踏み込む勇気はないけれど前に踏み出したいと思っていたり、そうなりたい相手が臆病になっていたら、一緒に観に行くと良いと思います。 |
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2012.1.14 TEXT by Myson