2016年3月12日より全国順次公開
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原題は”LOVE IS STRANGE”、邦題は『人生は小説より奇なり』ということで、どちらもこの物語の世界観を言い当てていると思いますが、まず原題を軸に本作を観たときに、たしかに愛って妙なものだなとしみじみとしちゃいました。ジョン・リスゴーが演じるベンと、アルフレッド・モリーナが演じるジョージの愛は揺らぐことのないものに思えましたが、周辺の人達の関係性を観ていると、人の距離感によって愛も変容しているように思えました。というのも、少し距離があったほうが素直に愛せてるのに、すごく身近に来た途端に愛が表せなくなるんですよね。近づきすぎると見なくて良いものまで見えてしまうので、それを受け入れられなかったり、過剰に心配したり、他のエネルギーが作用してしまって、愛が異様な形で表れてしまうのかなと、切なくなりました。はたまた、”人生は小説より奇なり”という視点で本作を観てみると、人生には皮肉がいっぱいで、人生が動き出したと思ったら、パートナーに何か起きたり、うまくいかないもどかしさが描かれていました。何かを悟らせようというお説教的なストーリーではなく、人生とはこういうもの、愛とはこういうものというのを、淡々と描いている本作。それでも人生は進んでいくんだなと改めて肝に銘じて、前に進むしかない気持ちになりました。でもそんななかでも、主人公のベンとジョージの愛はどんなときも温かさを保っていて癒されます。ジョン・リスゴーとアルフレッド・モリーナの演技は本当に素晴らしい!良質な映画を観たい方にオススメです。 |
長年寄り添ってきたゲイのカップルがようやく結婚して…というハッピーなスタートから、突如悶々としたムードに展開していくストーリーなので、ウキウキなデートの日には向いていません。また、言いたいことがはっきりと伝わってくるタイプの映画ではなく、物語も淡々と描かれていて抑揚が少ないため、映画を観慣れていない人にはあまりオススメしません。ただ、どんな境遇でも愛を持ち続けるカップルのお話なので、愛し合う2人で観ると共感できる内容です。2人とも興味があるなら、デートで観るのもオーケーでしょう。 |
キッズにはまだ難しい内容だと思います。中学生以上なら、主人公の感覚はまだわからなくても、キャラクターのなかに同世代の少年も出てくるので、共感できるポイントがあるでしょう。本作の主人公2人は同性愛カップルですが、愛に性別は関係ありません。異性が好きだろうが、同性が好きだろうが、人を愛するのは同じ事。そんな大事なことを教えてくれるシーンもあるので、自分のおじいちゃん=人生の大先輩からお話を聞くような感覚で観るのも良いと思います。 |
© Love is Strange, LLD
2016.3.15 TEXT by Myson