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人生タクシー
2017年4月15日より全国順次公開
シンカ
公式サイト
政府への反体制的な活動が原因で、20年間の映画監督禁止令を受けた、イランの名匠ジャハル・パナヒ監督が、自らがタクシー運転手となって、テヘランに暮らす人々の日常を映像に収めた本作。ここでは、“政府が定める上映できる映画の条件”と照らし合わし、本当に映画で伝えるべき事は何か、日常にある善と悪はそんなに簡単に区別できるのかなど、深いテーマが掲げられています。タクシーの乗客の何気ない会話や行動から、イランの問題を浮き彫りにする手腕がとても見事で、映画を作るなと言われても、映画を作る事でめげずに戦う監督の勇気と才能に感銘を受けます。政治的なメッセージが込められつつ、とても映画愛を感じさせる内容にも共感。本作はイラン国内では上映禁止だそうですが、2015年のベルリン国際映画祭で金熊賞と国際映画批評家連盟賞を受賞しており、映画のラストには「(国外で)上映できているのは支援者のおかげです」というメッセージが載せられています。本編は日常を切り取った映像ですが、込められているものは見た目以上にとても重いものだと実感させられる秀作です。 |
デートのムードを盛り上げるような内容ではありませんが、映画を通じて社会と戦う監督の姿を観て、何を思ったかを語り合うとお互いの価値観が垣間見えるかも知れません。でも、この映画の本質が何かを考える上で、想像力や理解力に乏しい相手と観ると、消化不良を起こす可能性があります。余計なストレスを感じたくない人は、相手を選ぶ必要があるので、デートで観るべきかはそこを基準に決めてはどうでしょうか。 |
キッズにはまだ難しい内容に思えますが、子どもの目を通して語られるシーンも印象的なので、小学校高学年以上なら興味がある人はトライしてみても良いと思います。100%理解できるかどうかよりも、わかる範囲内でも、観て何を感じたかが大事。誰かと一緒に観て語り合うことで、理解度も高くなると思います。 |
© 2015 Jafar Panahi Productions
2017.5.1 TEXT by Myson