TOP > 映画批評TOP > 映画批評サ行 > HERE

最強のふたり

2012年9月1日より全国順次公開
ギャガ
公式サイト　予告編

すごく、すごく良かったです！人と心で向き合う、通じ合うってこういうことなんだなと思いました。首から下が麻痺した大富豪フィリップを、あたかも自分の地元の“ダチ”のように扱う、スラム街で育った青年ドリス。フィリップの身体的ハンディのことに気を遣わないドリスの言動は一見失礼に思われがちですが、逆にフィリップにとっては気が楽で、ドリスの独特のユーモアで失言も笑いに変えてしまいます。正直なところ、私も、身体的ハンディを負っている方への接し方に戸惑うことがありますが、ドリスの接し方を見ていると、相手の身体的状況とかは関係なく、心で接しているからうまくいくんだなと思いました。そして、フィリップも悪環境で育ったとはいえドリスを信用して、彼にとって一番良いと思うことをしてあげます。この関係は本当に素晴らしくて、ラストがとてもステキでした。相手にとって一番大事なことを、相手が自覚していない本心を察して、お互いに相手のために行動を起こした二人。本当にすごいです。これが実話だということにすごく感動しました。まさに「最強のふたり」です！

とってもステキな映画なので、本当に大事な人とデートで観て欲しい映画です。あまり映画を真面目に観ないタイプの人と行ってしまって的外れなことを言われたときにはせっかく良い映画を観ても興ざめさせられますので、ちゃんと映画に集中して、鑑賞後にも気持ちを共有できそうな相手を連れていきましょう。この人ともっとステキな関係を築きたいし、築いていけそうだと思っている相手なら、「相手を思いやる」という意味がよくわかる映画なので、一緒に観るととても良いお手本になると思います。

関連記事：
■TJE Selection　イイ男セレクション／オマール・シー

2012.8.29　TEXT by Myson