2017年4月8日より全国順次公開
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こんな事って本当にあるんだな〜ととても驚きましたが、大ごとになっていないだけで似たような話は世の中にゴロゴロあるようにも思いました。女装の男娼となった10代の少年J.T.リロイ(本当はローラ・アルバート)が小説を書いて有名になっていく過程は一種のおとぎ話であり、サクセスストーリーでワクワクしますが、これが最初から少年ではなく一回り年齢が上の女性ローラ・アルバートが書いた小説だとわかっていたら、世の中の反応はまた違ったものになったはず。ただ、ローラは世の中を騙そうとしたわけではなく、ペンネームとしてJ.T.リロイという名前を使ったのであって、精神的に問題を抱えるなか、彼女のなかにいる人格の1人(ただし多重人格ではありません)に代弁してもらう形で小説を書いていたということがこのドキュメンタリーでは描かれています。真相が明かされると、周囲は手のひらを返したようにローラを訴える側になったようですが、そもそもJ.T.リロイという人物がいると信じたかった人達が、J.T.リロイという人物を完成させたのだと思いました。私はローラ・アルバートが悪いとは思いませんが、不幸過ぎる少年への世の中の好奇な目が、架空のスターを生んだと考えると、とても皮肉だし、滑稽というか間抜けな出来事ですね。ローラ・アルバートが問題を抱える事になった要因についても描かれていますが、世の中の偽善がどういう形で人生に作用するのか、その実態を観られるドキュメンタリーです。 |
性的、精神的な話題が多く、ムードが盛り上がる内容ではないので、デートでわざわざ観る内容ではないと思いますが、2人とも興味があるなら観ても良いのではないでしょうか。内容そのものは衝撃的なので、鑑賞後の会話はそれなりに盛り上がると思います。 |
性的表現や、ドラッグなどが話題に出てくるので、キッズには不向きな内容です。幼少期に体験した辛い出来事から心に問題を抱え、小説を書くことで自身を支えてきたローラ・アルバート。J.T.リロイという架空の人物が一人歩きしてしまい、世の中を騒然とさせた出来事はセンセーショナルですが、なぜそうなったのかという点にフォーカスすれば、社会のいろいろな問題を少し理解できると思います。 |
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2017.4.5 TEXT by Myson