2016年6月10日より全国公開
キノフィルムズ
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第82回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した2009年のアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』をもとに、舞台をアメリカにを変え、新たな構想で描かれた本作。実はオリジナルのアルゼンチン映画を手掛けたフアン・カンパネラ監督は本作の製作に名を連ねており、これはビリー・レイ監督の励みになったようです。そんなオリジナル映画との深い繋がりを持ちつつも、本作にはハリウッド版独自の要素が盛り込まれているのですが、その一つとして、ジュリア・ロバーツが出演することになり、元々男性だったキャラクターが女性に書き換えられた設定は、13年の時間の隔たりを描く上で効果的に活かされています。ジュリア・ロバーツが演じたジェスと、ニコール・キッドマンが演じるクレアという2人の女性の13年間の変化にはかなりのギャップがありますが、それは2人に何があったのかを如実に表しています。13年間ですっかり老け込んでしまったジェスを演じたジュリア・ロバーツ、13年間を経ても若さと美しさを保つクレアを演じたニコール・キッドマン、どちらの女優の役作りにも驚かされます。本作は事件を解決する過程よりも、13年間ものあいだ一つの事件に翻弄され続ける人間ドラマが軸になっているという印象でしたが、それは結末にも現れていて衝撃を受けました。『瞳の奥の秘密』とは別物として楽しみつつ、改めてとオリジナル版と比較して観たくなる作品です。 |
一つの悲しい事件によって繋がっている3人の男女の物語で、淡々と物語が展開していくので、デートの雰囲気に大きく影響する心配はありません。なのでデートで観ても支障はありませんが、一部ラブストーリーの要素もあり、忘れられない相手との関係が描かれているので、元カレ、元カノ問題で揉めているカップルはやや気まずい空気になる可能性はあります。その懸念が無ければ、観終わった後に「どこで真相に気付いたか」など、気楽に感想を言い合って、会話を楽しみましょう。 |
13年前と現在で行ったり来たりする描写が少々複雑なのと、大人の事情が盛り込まれた内容なので、大きくなってから観た方が共感しやすいと思います。推理モノとして観るのもありですが、どちらかというと人間ドラマが軸になっているので、大人の複雑な感情にピンと来なければ、物語に感情移入するのが難しそうだと考えると、キッズ&ティーン向きの映画ではないように思います。 |
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2016.6.6 TEXT by Myson