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シークレット・オブ・モンスター

2016年11月25日より全国公開
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公式サイト

アドルフ・ヒトラー、ベニート・ムッソリーニ、ヨシフ・スターリンなど、20世紀に生まれた悪名高き独裁者達は、どうやって生まれたのかという謎を、ユニークな比喩で表現した本作。女の子のように美しい少年が、自己主張とわがままを覚え、やがて周囲の混乱を招き、支配力を拡大していく様子に、独裁者誕生までのストーリーが例えられているのだと私は解釈しましたが、こんな風に表現するという発想がまず素晴らしいですね。
そして、ベレニス・ベジョやロバート・パティンソンなどの名優達に引けを取らず、存在感を発揮し、見事な演技を見せた主人公の少年プレスコット役、トム・スウィートは撮影当時9歳で、本作がデビュー作というから驚きです。ビジュアルも美しいので、将来イケメンになること間違いないでしょう！さらに『ニンフォマニアック』で衝撃のデビューを飾ったステイシー・マーティンも出演。今作では透け透けのブラウスを着せられていましたが、もちろん物語の筋に関係しているという理由があり、出し惜しみしない女優魂に感心しました。本作の監督ブラディ・コーベットは1988年生まれでまだ20代（2016年現在）。2009年に監督デビューした短編“PROTECT YOU + ME”はサンダンス映画祭で特別審査員を受賞しており、若き新鋭として注目されていますが、本作は今後の作品に期待を抱かせる秀作となっています。

多少エロチックなシーンが出てくるものの、気まずくなるほどのこともないので、デートで観ても問題はないと思いますが、「20世紀に権力をふるった独裁者達の誕生の過程をイメージしたストーリー」ということがわかっていないと、少しピンとこない可能性があります。なので、そういう話題に多少興味がある人を誘ったほうが、一緒に楽しめると思います。

大人向けの作品なので、大人と同じ理解を求めるにはキッズにはハードルが高いですが、キッズが主人公なので、子ども目線で観ると、大人とは違った解釈や感じ方が生まれるかも知れません。ただ、「わがままを言い通せば叶う」というところだけを都合良く解釈してしまうのは、少々危険なので、大人と一緒に観て、感想を話し合うのが良いでしょう。

2016.12.2　TEXT by Myson