沖縄にはこういう文化があるんだなと、伝統の重みを感じました。文字どおり、「骨を洗う」という行為には少し驚きますが、ご先祖様から命を受け継ぐという意味合いが込められていると思うと、感じ方がだいぶ変わりますね。そして何より、家族だからこそというのがあるので、(火葬ではなく風葬で)白骨化した姿が怖いという感覚よりも、現実を受け止めざるを得ないという状況になると思います。私も父親を亡くした時は、目の前で息を引き取った様子を見たことで、「死を受け入れる」ということがいかに大事だったかを実感したので、そういう意味でも共感できました。そして、照屋年之監督(=ガレッジセールのゴリ)の作品ということで、ユーモアがふんだんにあり、温かい作品になっていて、沖縄の風土や文化からも温かさを感じます。大島蓉子が演じるおばさんがとても良いキャラで、爽快感もありますよ。タイトルから悲しいお話なのかなと想像する方もいると思いますが、明るい気持ちになれる作品です。 |
筒井道隆が演じる兄と、水崎綾女が演じる妹の恋愛模様が、少々難ありでスタートしますが、最後まで観ると、気まずいこともないと思います。基本的には家族のドラマなので、一定の距離感を持って観られると思います。デートムービーという雰囲気はありませんが、故郷の話をしたくなるお話なので、相手のことをもっと知りたい方は、会話のきっかけに一緒に観るのも良いかも知れません。 |
各地に受け継がれる文化について知ることは、とても大事なことです。残念ながら廃れていきつつある文化も多々ありますが、どんな理由でどんな文化がその地にあったのかを知ることで、視野も広がると思います。おじいちゃんやおばあちゃんなどと本作を一緒に観て、自分のルーツに繋がる風習などはないか、聞いてみてもおもしろいと思います。 |